官民パートナーシップはカリブ地域のインフラ不足を解消できるか?

官民パートナーシップはカリブ地域のインフラ不足を解消できるか?
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2005年頃より前は、多くの観光客にとって、ジャマイカでの休暇は土壇場で台無しになっていた。モンテゴベイのサングスター国際空港内は暑く、混雑していたからだ。それから10年後、サングスターで飛行機を待つ時間は、まったく快適なものになった。冷房はきちんと機能し、空港全体の環境は以前に比べて格段にストレスが少ない。

何が違いをもたらしたのか。民間部門だ。

2003年、ジャマイカ政府は、10年にわたって取り組んできたモンテゴベイ空港の民営化をついに実現した。バンクーバー国際空港が主導する民間コンソーシアムは、ターミナルビルの拡張に数百万ドルを迅速に投資し、空港の処理能力を倍増させ、数十の新たな小売スペースを開設した。それ以来、コンソーシアムは空港の拡張・改善に2億米ドルを超える額を投資しており、その費用はすべて政府の貸借対照表には計上されていない。

ジャマイカはその後、成果にばらつきはあるものの、さらに複数の官民パートナーシップ(PPP)を実施してきた。野心的な高速道路建設計画の第2期、マウント・ロッサー・バイパスが最近開通し、未開の地域を何マイルにもわたって切り開いた。しかし初期の兆候によると、交通量は期待に届いていない。おそらく、バイパスの勾配が急な8%で、ジャマイカのトラックやバスの大半には対応できないためだ。

エネルギー部門では、ジャマイカは合計115メガワットの再生可能エネルギー(RE)発電容量を持つ3件のPPPを完了させつつあり、2015年末までに発電容量の12.5%をREとする目標の達成に向けて順調に進んでいる。最後に、政府は現在、キングストン・コンテナ・ターミナル(KCT)をCMA/CGMとChina Merchant Marineのコンソーシアムに売却するための手続きを完了させている。この取引により、新たな港湾所有者による6億米ドルの設備投資計画が実施される見込みだ。

ジャマイカ以外でも、カリブ地域の各政府は、老朽化する地域のインフラを改善するため、資金と運営管理を民間部門に委ねようとしている。人口12,106人のネイビスでは、風力発電所と大規模給水事業の2件のPPPが稼働している。人口の20%未満しか安定した電力供給を受けられないハイチでは、独立系発電事業者(IPP)3社が、ほぼ破綻状態にある国有電力会社Electricité d’Haiti(EdH)に電力を卸売りしている。これがリスクを取るということではないなら、いったい何がそうなのだろう。

バハマの首都ナッソーでは、イスラエル企業Miyaが島の老朽化した配水システムを修復している。わずか2年間で、損失は1日当たり700万ガロンから450万ガロンに減少した。淡水の大半を高価な海水淡水化に頼る島では、水の損失を減らす経済的効果は非常に大きい。

PPPが見られるのは、エネルギー、運輸、水道といった従来型のインフラ部門だけではない。2008年、タークス・カイコス諸島政府は、カナダのコンソーシアムによるフルサービス型の新病院2か所のPPPを実施した。トリニダード・トバゴも社会部門でPPPを進めており、臨床検査診断センター3か所に加え、幼児教育・初等教育機関10校が対象となっている。

カリブ地域の至るところで、風力発電所から地熱発電所まで、さまざまな魅力的なPPP事業について話題に上る。残念ながら、そのほとんどは話にとどまっている。2014年に公表された世界銀行の「カリブ地域PPPロードマップ」によると、全事業のうち実際に入札段階に至るのはわずか12%であり、大半は計画段階を抜け出せない。

多くのPPPが始動に至らない理由の一つは、組成と実施が非常に複雑なことだ。投資家の見方、官民双方の関係者、融資機関、リスク軽減策など、考慮すべき要因は多い。そのために多くの経済・技術・法務面の準備作業が必要となり、費用は驚くほど高額になる。入札者側の費用を除いても、1件当たり少なくとも100万米ドルかかる。

さらに、国にとって最善の取引を実現するには、政府にPPPの原則と実務に精通した有資格の職員が必要だ。残念ながら、人的能力の不足は、カリブ地域の各政府がPPPを発展させるうえで直面する最大の課題である。

しかし、明るい知らせがある。支援がまもなく届く。

カリブ開発銀行(CDB)は、世界銀行および米州開発銀行の支援を受け、バルバドスの本部に拠点を置く1 2百万米ドルの地域PPP支援ファシリティを設立した。このファシリティの主な活動は次のとおりである。

  • 実施環境の強化:カリブ地域向けのウェブベースPPPツールキットを開発するほか、政府の技術的能力を高めるセミナーやワークショップを開催する

  • 実践的な支援:加盟国政府からの技術的要請に迅速に対応するとともに、PPP政策の導入、候補事業の選定・開発に向けた国内支援を行う

  • PPPファシリティの事業計画:助言支援の需要と投資ニーズ、サービス範囲、資金調達メカニズム、ファシリティの財務予測を見積もる

ファシリティの長期的な費用は、政府の拠出金およびPPP取引の落札者からの費用回収メカニズムによって補充される回転基金で賄う計画である。最終的にCDBは、上流段階の準備作業にとどまらず、PPP契約に基づく民間投資家への長期融資の提供も目指している。

この取り組みは、PPPという方式を通じて地域のインフラサービスの提供を促進するという、CDBおよび多国間開発パートナーの取り組みへの強い意志を示している。

この記事は当初、 世界銀行の官民パートナーシップ・ブログ に掲載されたものです。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。

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著者:ブライアン・サミュエルは、カリブ開発銀行の官民パートナーシップ・コーディネーター。

画像:ハバナで通りを渡る人々。ロイター/デズモンド・ボイラン。

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