2050年には、食料を必要とする人がほぼ100億人に。私たちは食べさせていけるのか?

A cob of corn is seen in a field during a harvest near the village of Sartichala, outside Tbilisi, November 11, 2013. REUTERS/David Mdzinarishvili (GEORGIA - Tags: AGRICULTURE FOOD BUSINESS) - RTX15987
Feeding the world's population remains a key objective as numbers continue to soar.Image: REUTERS/David Mdzinarishvili
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農業・食料市場には非効率がはびこり、世界で最も脆弱な人々の福祉に深刻な影響を及ぼしている。世界全体で、農業補助金は年間5,600億ドルを超え、富裕国から開発途上国への援助額のほぼ4倍に相当する。主要な新興市場国は補助金を急速に増やす一方、先進国は大幅に削減してきた。その一方で、農産物への関税は世界貿易交渉における大きな争点であり続けている。

世界の食料生産の3分の1が廃棄される一方、開発途上国では依然として食料不安が深刻だ。20世紀半ば以降、農業生産性が飛躍的に向上したにもかかわらず、開発途上地域の多くでは食料安全保障が課題であり続けている。食料カロリーの生産量は、世界人口が昨年の73億人から97億人に増えるとの予測に対応するため、2050年までに70%増やす必要がある。食料不安は暴力や紛争につながり、国境をはるかに越えて波及する可能性がある。

政策立案者はこの課題にどう取り組めるだろうか。市場の歪みを取り除くことは解決策のすべてではないが、開発途上国の食料不安を緩和するうえで大きな効果がある。まず、すべての国が連携して、貿易に対する直接・間接の障壁を撤廃し、低所得国の農業部門の発展を後押ししなければならない。同時に、低所得国も投資の障害を取り除いて生産性を高め、必要不可欠な海外資本を呼び込むための措置を講じる必要がある。

Image: IMF

土地、生産性、潜在力

他の条件がすべて変わらないと仮定した場合、世界の未利用地をすべて活用しても、養えるのは90億人にすぎない。もちろん、この概算は技術の進歩や食料廃棄・土地劣化の削減を考慮していないが、問題の規模を示している。

したがって、答えは生産性の向上だ。既存の農地で生産量を増やす余地は大きい。例えばサハラ以南アフリカでは、収量は現在、潜在水準を50%下回っている。しかし、国境を越える投資への障壁が、新技術の導入に必要な資金調達を難しくしている。障壁には、インフラの不足、収用のリスク、土地保有権をめぐる問題、さらにはより一般的な所有権の不透明さがある。国境を越えた土地取引の急増は、2007~08年の食料危機後、開発途上国でその勢いが収まり、こうした投資の持続可能性に疑問が生じている。

人口増加のペースの違いによって食料需要が西から東へ移る一方、輸出の大半を依然として先進国が占めている。

今後の課題

特にアジアとサハラ以南アフリカでは、急速な都市化と急激な人口増加に国内の食料供給の伸びが追いつかず、輸入への依存が高まっている。1990年以降、ホンジュラス、フィリピン、ジンバブエ、ベトナムを含む27カ国が、食料の純輸出国から純輸入国へと転じた。

食料は国際貿易交渉で長く難題となってきたが、世界の商取引額に占める割合はわずか8%だ。例えば2008年には、農業をめぐる意見の対立が世界貿易交渉のドーハ・ラウンドを頓挫させた。すべての国は農業従事者への支援の仕組みに依然として強い反貿易バイアスを抱え、関税や割当枠などの政策手段を行使しており、それが消費者に深刻な影響を及ぼしている。特に市場の歪みが大きいのは、大豆、砂糖、コメ、小麦、牛肉の市場だ。

障壁の撤廃は、低所得国を世界貿易につなぐ助けとなる。逆説的だが、食料価格と供給量の安定を目指す政策が、逆効果をもたらすことがある。例えば2008年、価格の急騰を受けた輸出国は、国内供給を増やそうと食料の海外出荷を制限した。その一方で、食料輸入国は海外からの購入に対する障壁を引き下げた。この2つの政策が相まって、食料価格の急騰を悪化させた。

食料が総消費の半分以上を占める低所得国では、価格変動を抑えるより効果的な方法がある。農業生産性の向上、サプライチェーンの改善、穀物備蓄の維持・管理に向けた地域的な協調などの措置によって、食料価格の急騰を抑えられる。

気候変動もまた、食料安全保障に課題を突きつけている。地域によっては、平均気温や降水パターンの変化に加え、熱波などの異常気象が作物の収量や家畜の生産性を低下させる。別の地域では、平均気温が緩やかに上昇することで、逆に収量が増える可能性もある。最も脆弱なのは赤道に近い後発開発途上国だ。主要な2つの雨季が農業収量の80%超をもたらすエチオピアでは、近年、数十年で最悪級の干ばつが発生した。

こうした異常気象は、さらに深刻化し、発生頻度も高まると予想される。「気候変動対応型農業」などの対策は、小規模農家が持続可能かつ効率的な方法で、より栄養価の高い作物を生産する機会を提供し、気候変動の影響を和らげることができる。それでも、気候変動がもたらす課題は、農業の生産性向上を妨げている貿易・投資障壁の撤廃を政策立案者に迫る圧力を強めるばかりだ。

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