ブエノスアイレスはどのようにして近代都市を目指しているのか

ブエノスアイレスはどのようにして近代都市を目指しているのか
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ブエノスアイレスは南米第2の都市であり、ブエノスアイレス自治市と隣接する24の パルティード(基礎自治体) からなる、人口1,200万人を超える大都市である。1536年にスペインの探検家ペドロ・デ・メンドサによって発見されたこの港湾都市は、ラプラタ川の岸辺に位置し、順風をもたらす船乗りの守護聖人にちなんで名付けられた。その名は「 ブエン・アイレ」(良い風)に由来する。

ブエノスアイレスは、ヨーロッパ風の建築、至る所にあるカフェ、人を魅了する哀愁漂うタンゴ、高級料理、そして世界的に知られる演劇・音楽・文学の文化で知られる文化の大都市である。今日では、ラテンアメリカの多くの都市と同様に、規模の不経済によってもたらされる典型的なメガシティの課題に直面しており、都市の無秩序な拡大、汚染、交通渋滞、経済格差などが挙げられる。こうした問題の解決は、生産性の伸び悩みによるGDPの押し下げもあり、さらに困難になっている。

現在、ブエノスアイレスは「 近代都市(ciudad moderna) 」の構築に向けた計画を進めている。この計画は、経済成長、行政の透明性、生活の質、移動性、環境といった主要な課題への対応を目指すものである。米州開発銀行による2014年の調査では、ブエノスアイレスの住民が最も重視する課題として、安全、格差、交通、透明性、保健を挙げていることが示されている。

ブエノスアイレスは、これらの差し迫った課題を解決するため、新たな取り組みを進めており、その多くが行政、企業、市民に恩恵をもたらす革新的技術の活用を伴うものである。例えば、改革の対象分野の一つである行政の透明性向上のため、同市はデータ分析・可視化(ビッグデータ)によって得られた知見を活用し、市民にリアルタイムの情報、双方向型アプリケーションその他のサービスを提供するオープンデータ戦略を推進している。この「デジタル・プラットフォーム」による接続性を通じて、同市はすでに地下鉄の運行状況通知、有権者向け情報ガイド、市への苦情提出用モバイルアプリを提供している。

その他の取り組みとしては、中小企業が市行政とより効率的にやり取りできるようにするためのオンラインポータルの開設、センサーによる監視を備えたエネルギー効率の高い建物、新たなアイデアや企業の創出を促進するイノベーション・ラボ(創造産業の育成に重点を置くものを含む)、デジタル教室および図書館、無料の無線LANなどが挙げられる。

「 近代都市(ciudad moderna) 」が実現すれば、同市は行政の透明性向上と市民サービスの改善、中小企業の成長支援、そして住民にとってより良い生活の質と新たな機会をもたらすコネクテッド・シティの推進に向けて、大きな一歩を踏み出したことになるだろう。しかし、ブエノスアイレスには依然として基本を整えるための長い道のりが残されている。具体的には、より効率的な市政、健全な公共財政、企業にとって働きやすい規制、そして物理的なインフラ接続性の整備である。

新たな「都市の競争力」報告書は こちらをご覧ください。

執筆者:マイクロソフト新興市場ディレクターのステファニー・ヘイアーおよびマイクロソフト新興市場会長のオーランド・アヤラ

画像:2014年6月10日、ブエノスアイレスでライトアップされたオベリスク。REUTERS/Enrique Marcarian

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