世界地図上の点――それはサンゴ環礁や火山島であり、広大な太平洋に点在しています。ターコイズブルーの海水、白い砂浜、熱帯の植物に劣らず、名前も異国情緒にあふれています。
太平洋島しょ国のうち12か国が世界銀行の加盟国です。これらの国々には合わせて約1,100万人が暮らしており、世界人口の1%を大きく下回ります。
その一つであるキリバスは、33の環礁とサンゴの小島から成り、インドより広い海域に点在していますが、陸地面積はニューデリーより小さい国です。人口が1万人に満たないツバルは、世界銀行の加盟国の中で最も小さな国です。
このように遠隔地にある小さな島々でありながら、フィジー、パラオ、サモア、トンガ、バヌアツ、ソロモン諸島、マーシャル諸島、パプアニューギニア、ミクロネシア連邦、東ティモールを含む太平洋島しょ国は、見た目以上に大きな存在です。
その独特な環境は、世界最大のマグロ漁場を含む重要な海洋資源をもたらすとともに、気候変動の初期影響を観察するための、事実上の世界的な実験場となっています。島しょ国の政府は、国際社会や自然保護団体と協力し、これまでで最大級の海洋保護区をいくつか設立してきました。
世界銀行は太平洋島しょ国と緊密に協力し、10年前の小規模な関与から、現在では年間2億7,500万ドルを超える大規模な取り組みへと発展した、拡大するパートナーシップを築いてきました。世界のパートナーとともに、広大で地理的に分散したこの地域が共通の運命を切り開くため、開発ニーズに対する統一的なアプローチについて、太平洋島しょ国の政府とさらに取り組む機会があります。
独立以来、太平洋島しょ国は経済・社会面で着実な進歩を遂げてきましたが、国土の小ささ、遠隔性、自然災害への脆弱性によって形作られた、固有の開発課題に今も直面しています。
経済成長は、この地域の他の開発途上国に遅れをとっています。世界銀行の分析によると、東アジア・太平洋地域の開発途上国の平均成長率は、2003年から2013年の間に9%でした。一方、太平洋地域では同じ期間の平均成長率はわずか3%近くでした。
太平洋諸島の住民の半数以上が24歳未満であり、今後10年間で労働年齢に達する若者の数は大幅に増加すると予想されています。多くの国ならこれを好機と捉えるでしょうが、経済規模が小さく、正規部門の雇用が限られる太平洋地域では、増大する雇用需要に応えることは困難です。
一方、サイクロン、地震、津波などの災害による年間損失額で、太平洋の8か国が世界上位20か国に入っており、バヌアツとトンガは最も脆弱な国として挙げられています。
世界銀行の調査では、自然災害による小島しょ国の年間平均コストは、GDPのほぼ2%に相当すると推計されています。しかし、トンガとサモアでは、こうした損害がGDPの20~30%に達しました。リスクにさらされている国々は国際的な支援を受けているものの、これまでに提供された支援の規模は、最終的に必要とされる水準を大きく下回っています。
気候変動はこうした脆弱性をさらに高めるだけです。海面上昇と熱帯性暴風雨の激化が、低地の島しょ国そのものの存続を脅かしています。
世界銀行と世界のパートナーはすでに、島しょ国が気候変動の影響を緩和し、直面する新たな現実に適応できるよう支援するプロジェクトを開始しています。たとえば、キリバス適応プログラムは、安全な飲料水の供給と沿岸部の強靱性強化を支援しています。異常気象の規模と頻度が増すと予想される中、自然災害への対応は不可欠です。IDA危機対応ウィンドウを通じて、トンガ、サモア、ソロモン諸島はいずれも、それぞれの自然災害後に緊急支援を受けました。またトンガは、災害リスク保険制度である太平洋リスク評価・資金調達イニシアティブの最初の受益国となりました。
地域的なアプローチにより、太平洋島しょ国は規模の経済と知識の共有の恩恵を受けることができます。その一例が「船舶日数制度」です。ナウル協定に署名した8つの島しょ国が、自国の領海内にある収益性の高いマグロ漁場を規制しています。この協定により、加盟国のライセンス料収入は2009年から2013年の間に4倍になりました。
世界銀行はまた、太平洋島しょ国4か国と太平洋諸島フォーラム漁業機関が、漁業管理の改善と持続可能性を実現するための3,200万ドルの太平洋諸島地域海洋景観プロジェクトに資金を提供しています。
ほかにも世界銀行は、太平洋島しょ国が通信分野を競争に開放するのを支援してきました。その結果、価格が大幅に下がり、通信エリアが拡大しています。太平洋島しょ国への海底光ファイバーケーブル接続を拡大することで、インターネット利用者のアクセス拡大とコスト低減の両方を支援しています。その一例が、2013年のトンガとフィジー間の接続です。また、新たなプロジェクトではパラオとミクロネシアのヤップ島をグアムにつなぎ、最先端の海底光ファイバーケーブルによってサモアの国際接続を強化しています。
上記のプロジェクトは、太平洋地域で実施されている多くの新たな取り組みの一部にすぎません。太平洋島しょ国の人々がこうした投資の恩恵を実感できるよう、勢いを維持し、さらに取り組みを進める必要があります。世界銀行は、この取り組みに引き続き積極的に参加し、太平洋島しょ国の政府が必要とする支援を提供したいと考えています。
この記事は、当初、 世界銀行のブログ「East Asia & Pacific on the Rise」に掲載されました。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:Axel van Trotsenburgは、2013年2月1日に世界銀行の東アジア・太平洋地域担当副総裁に就任しました。
画像:2014年1月12日14:00 GMTに撮影されたNOAA GOES衛星の提供画像には、熱帯低気圧イアンが写っています。ロイター。


