2024年の経済に楽観的になれる3つの理由

While 56% of chief economists think the economy will weaken in the coming year, there are some bright spots.
While 56% of chief economists think the economy will weaken in the coming year, there are some bright spots.Image: World Economic Forum/Sandra Blaser
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  • ダボス会議2024(世界経済フォーラム年次総会)は、2024年1月15~19日にスイスのダボスで開催される。

  • 「チーフ・エコノミスト・ブリーフィング」セッションでは、著名なエコノミストが、2024年以降の新たな経済状況と政策立案者が直面する決定について議論した。

  • チーフ・エコノミストの56%が来年は経済が弱含むと考えている一方、明るい材料もいくつかある。

世界経済の今後はどうなるのか。こうした予測は、平時でも困難である。歴史的な不確実性のなかで、その難しさはさらに増している。

世界経済フォーラムの調査研究によると、チーフ・エコノミストの56%が来年は経済が弱含むと考えている。ただし43%は、状況が横ばいか改善すると予測している。

「見解は大きく分かれている」と、世界経済フォーラムのマネージング・ディレクターであるサアディア・ザヒディは、年次総会の参加者に対し、メディア・ブリーフィングにおいて、世界各国の著名なエコノミストとともに、新たな経済状況と2024年以降に政策立案者が直面する決定について議論する中で述べた。

では、何が楽観的な見方を支えているのか。ダボスに集まった3人のエコノミストが、今後1年の経済見通しに希望を与えていると語った点を紹介する。

グリーン成長

アリアンツSEのチーフ・エコノミストであるルドヴィック・スブラン氏によると、2024年の明るい材料の一つは、より持続可能な経済への移行であるグリーン成長が持つ可能性だ。「たとえ公的資金によって火がついたものであっても、やるべきことはまだ非常に多いと思う」と、同氏はダボスの参加者に語った。「私は非常に前向きだ。すでに市場には非常に多くのイノベーションが登場している」。

2023年にはすでに、政府と民間セクターによるグリーン技術への投資が、例えば米国では、一部の経済を後押ししていた。しかし、グリーン移行は今後1年を超えて大きな機会をもたらす。例えば、「グローバルリスク報告書2024」によると、グリーン移行によって2030年までに3,000万人以上の雇用が生まれると推計されている。また、アラップとオックスフォード・エコノミクスによる調査では、2050年までに、ネットゼロへの移行を促進する企業や産業は、10兆ドルを超える価値を持つ可能性があることがわかった(GDPの約5%に相当)。

イノベーション

ベイン・アンド・カンパニーのマクロトレンド・グループでマネージング・ディレクターを務めるカレン・ハリス氏は、各国が景気後退に向かうのか、ソフトランディングを迎えるのかはまだ不明だが、いずれにせよ、成長は期待ほどにはならないだろうという。「どのような状況であっても、完璧な経済にはならないだろう」と、同氏は参加者に語った。

しかし、今後1年への希望は何かと問われると、同氏は短期的なGDP成長率の数字は全体像のごく一部しか示さないと指摘した。実際、同氏が各産業や企業で目にしているイノベーションこそが、同氏を強く楽観させている。「その下にあるイノベーションは、GDPの水準で起きていることとは無関係だ」と、同氏は説明した。「『素晴らしいアイデアがあったが、GDPが50ベーシスポイント下がったので、あきらめよう』と言う人はいない。だからこそ、それは常に楽観の根拠になる」。

分断の中の地域的な明るい材料

世界経済フォーラムの最新の「チーフ・エコノミスト見通し」の回答者の約70%は、今年、地経学的な分断のペースが加速すると予想していると述べた。また、87%の回答者は、この分断が世界経済の変動性を高めると述べている。

イタウ・ウニバンコSAのチーフ・エコノミストであるマリオ・メスキータ氏は、こうした荒波をうまく乗り切る国がある一方で、そうでない国もあると予想する。「インドとメキシコは今年、まずまずの成果を上げると思う」と、同氏は参加者に語った。「両国は世界経済成長を支える存在になるだろう」。

例えばメキシコは、ニアショアリングのような動きから恩恵を受ける可能性がある。ニアショアリングとは、企業が事業活動の一部を遠方の国ではなく近隣の国に移すことを いう。「NAFTA締結後にメキシコは大きく成長する態勢にあったが、中国がWTOに加盟したのとほぼ同時期だったため、中国が米国市場でシェアを獲得し始めると、そのシェアを中国が奪った。そのため、今や両国は逆の動きの側にある。そしてメキシコは恩恵を受ける可能性が高い」。

セッション「チーフ・エコノミスト・ブリーフィング」は、世界経済フォーラムのマネージング・ディレクターであるサアディア・ザヒディがモデレーターを務め、以下の参加者が登壇した。

カレン・ハリス、マネージング・ディレクター、マクロトレンド・グループ、ベイン・アンド・カンパニー・インク

マリオ・メスキータ、チーフ・エコノミスト、イタウ・ウニバンコSA

ルドヴィック・スブラン、チーフ・エコノミスト、アリアンツSE

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