ユーロ圏が ギリシャ問題に対処する中、米国は、一部で「カリブ海のギリシャ」と呼ばれるプエルトリコへの対応も迫られている。カリブ海の同島知事アレハンドロ・ガルシア・パディージャは、同島が720億ドルの債務を返済できなければ「死のスパイラル」に陥ると警告している。 知事の発言は、 同島経済を圧迫している主要因について知事が依頼した 独立報告書 の公表を受けてのものだった。報告書によれば、プエルトリコが直面する最大の課題は次の3つである。
1. 「支払い不能」な債務
プエルトリコの債務は、米国の大半の州よりも多い。同島は2006年以降、多額の借り入れを続けており、もし米国の州であったなら、今頃すでに破産を宣言していたかもしれない。しかし、プエルトリコはコモンウェルス(自治領)であり、債権者からの保護を求めることのできる法的な仕組みは存在しない。法改正も議論されているが、債務の大半を保有する米国の投資ファンドや市民からの反対がある。
プエルトリコの債券格付けは投機的水準(ジャンク級)まで引き下げられているが、米国の税制優遇措置により、人々はプエルトリコ債の購入を続けている。これらの債券は「三重非課税」であり、米国の企業や市民は連邦税、州税、地方税のいずれも支払う必要がない。米国のヘッジファンドが保有するプエルトリコの債務は約150億ドルで、残りは債券投資信託と個人が保有している。これが、プエルトリコの危機が米国人にとって重大な関わりを持つ主な理由である。
2. 経済的苦境
プエルトリコの経済活動は、ほぼ10年にわたって低迷が続いている。その始まりは2006年で、米国内の製造業企業に対する連邦税優遇措置が廃止され、経済が大打撃を受けたことによる。これにより、同島の主要企業が撤退した。その後、2008年のリーマン・ブラザーズの経営破綻に伴う世界的な信用収縮による大不況(グレート・リセッション)が続き、アメリカ・コミュニティ調査によれば、2013年までにプエルトリコ人の45.4%が貧困状態にあり、これは米国全体の数字の3倍であった。
3. 人口減少
2000年代の大不況により米国への移住が加速し(プエルトリコ人は全員米国市民である)、その結果、人口は減少し始めた。 Pewによれば、プエルトリコの人口は過去3年間で、2000年までの30年間の減少幅を上回っている。今後の推計では、人口は今後も年1%ずつ減少すると見込まれており、これは日本の10倍の速さである。
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