米国のドナルド・トランプ大統領は、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会でオンライン演説を行った。
トランプ氏は、世界を代表する4人の最高経営責任者から経済成長と規制について質問を受けた。
トランプ氏は規制緩和の取り組みを称賛し、保護主義的な政策が成長を妨げるとの懸念を退けた。
米国のドナルド・トランプ大統領は木曜日、ホワイトハウスでの勢いを増す2期目を世界の舞台に持ち込んだ。
就任からわずか数日後、トランプ氏はスイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム2025年年次総会でオンライン特別演説を行い、4人の有力な最高経営責任者との公開対話に参加した。4人は、ブラックストーンの共同創業者兼会長兼CEOであるスティーブン・シュワルツマン氏、バンコ・サンタンデールの取締役会長であるアナ・ボティン氏、トタルエナジーズの会長兼CEOであるパトリック・プヤンネ氏、バンク・オブ・アメリカの取締役会長兼CEOであるブライアン・モイニハン氏。
「トランプ政権下では、雇用を創出し、工場を建設し、会社を成長させるのに、ここ米国ほど良い場所は地球上にありません」とトランプ氏は演説で述べた。
発言や行動を通じ、トランプ氏は米国が規制を縮小し、企業寄りの政策を強化する時代に入ることを示唆してきた。例えば、就任初日にトランプ氏は大統領令を発令し、エネルギー生産に関する規制を緩和した。演説でトランプ氏は、政権が「史上最大の規制緩和運動」に着手したと述べた。
雇用を創出し、工場を建設し、会社を成長させるのに、ここ米国ほど良い場所は地球上にありません。
米国のドナルド・トランプ大統領
民間部門に対するトランプ氏の姿勢は、企業経営者の楽観的な見方を強めている。実際、12月に実施された調査で、全米独立企業連盟は、その中小企業楽観度指数が2018年以来の最高水準に達したと発表した。「経済への信頼感は、何十年も見られなかったほど高まっています」とトランプ氏は付け加えた。
それでも、企業リーダーたちはトランプ氏の保護主義的な言辞や立場に長らく懸念を表明してきた。例えばトランプ氏は、主要経済国である中国、カナダ、メキシコに対して、たびたび関税を課すと脅している。大半の経済学者は、関税がインフレを招き、経済成長を抑制すると考えている。
ダボスでは、4人のCEOが国際的な規制枠組みから世界のエネルギー生産まで、幅広いビジネスおよび地政学上の問題についてトランプ氏に質問した。
シュワルツマン氏はトランプ氏への質問で、労働者の権利や気候への影響などに関して長らく厳しい規則を設けてきた欧州連合(EU)のビジネス規制に、米国がどう対処するのかを尋ねた。トランプ氏はEUに「手続きを迅速化する」よう促し、欧州の人々は「より良く競争できるようになりたいと考えている。承認手続きを迅速に通過できなければ、競争はできない」と付け加えた。
実際、欧州の官民のリーダーたちは、大陸の成長を促すため、規制の見直しを進めている。例えば昨年末、欧州最大級の企業連盟3団体は、EUの政策立案者に規制改革を促した。企業が米国の民間部門と競争できるようにするためだ。連盟による公開書簡は、欧州中央銀行の前総裁マリオ・ドラギ氏が発表した重要な報告書に続くものだった。同報告書は、欧州の競争力が驚くべき速さで低下していると警告した。
液化天然ガスの取引についてプヤンネ氏から質問を受けたトランプ氏は、エネルギー生産の規制を緩和し、人工知能(AI)データセンターに電力を供給できる発電所を建設する政権の取り組みをアピールした。
「AIを望む規模に成長させるには、現在米国にあるエネルギーの2倍が必要です。非常に競争が激しいからです」とトランプ氏は述べ、予備電源として「良質でクリーンな石炭」も利用できると付け加えた。
トランプ氏はまた、法人税率を21%から15%に引き下げる政権の計画を示した。インフレを招く政策の影響についてモイニハン氏から質問を受け、「15%はほぼ最低水準です」と述べた。「大規模で豊かで強力な国の中では、断然最低です」。
ただしトランプ氏は、引き下げ後の税率が適用されるのは米国内で製品を製造する企業に限られると付け加えた。「これで大きな話題が生まれるでしょう」と述べた。
就任後、トランプ氏は世界的な法人最低税率の合意からも米国を離脱させた。2023年に最終合意された重要な協定で、140カ国に最低税率を義務付けるものだった。この協定は各国の税率引き下げ競争を防ぎ、企業の租税回避を抑えることを目的としていた。今週初めに署名した大統領令で、トランプ氏は同協定について「米国では効力も効果もない」と述べた。
規制緩和と官僚主義の縮小についてボティン氏から質問を受け、トランプ氏は規制削減の取り組みが「経済に大きな影響を与える」と述べた。
トランプ氏はまた、米国は国際貿易を続けるものの、「他国に敬意を求める」とし、貿易不均衡を縮小するため関税などの政策を実施すると述べた。米中関係については、両国が「非常に良好な関係」を維持できると楽観しているとし、「私たちが求めているのは公平さだけだ」と付け加えた。
世界経済フォーラムが発表した最新のチーフエコノミスト見通しでは、調査対象となったチーフエコノミストの68%が、トランプ政権下で米国の貿易政策に非常に大きな変化があると予想した。また、ほぼ半数(47%)は、短期的な成長への影響がプラス、またはややプラスになると見込んでいる。一方、ほぼ全員(94%)が、トランプ政権下でインフレ率が上昇すると予想した。


