ヒラリー・クリントン氏は、経済学者との会合で、米国では上位1%を「打倒」する必要があると述べたと報じられています。 民主党の大統領候補だった同氏が、実質所得の変化を示すグラフを見た際に出た発言とされています。 実質所得の変化。
上位1%の実質所得だけでなく、ほかの複数の指標を見ても、米国の格差は過去数十年にわたり拡大してきたことが分かります。
格差をめぐる主要な問題を示すグラフと地図を12点まとめました。
米国の所得格差は、この40年間で拡大しました。

ジニ指数 は格差を測る標準的な指標で、0から1の範囲を取ります。この指数は、ある人口の所得分布が完全に平等な分布からどれだけ離れているかを測ります。指数が0の場合は全員の所得が同じ分布を示し、1の場合は一人が所得のすべてを得て、ほかの全員は何も得ない分布を示します。米国のジニ指数は1960年代後半以降、着実に上昇しています。
格差の度合いは、国内でも地域によって異なります。

Business Insider/Andy Kiersz、2011~2013年の米国コミュニティ調査のデータ
大都市圏や中規模都市周辺地域のジニ指数は、比較的平等なアラスカ州ジュノーの0.36から、格差の大きいルイジアナ州ラストンの0.55まで幅があります。Business Insiderは、米国国勢調査のデータに基づき、 格差の大きい大規模都市圏の一覧をまとめました。
米国のジニ指数の高さは、先進国の中ではまれです。

Business Insider/Andy Kiersz、OECDのデータ
OECD加盟国のうち、この指標で米国より格差が大きいのはチリ、メキシコ、トルコだけです。
格差を見るもう一つの方法は、国民所得のうち分布の上位層にどれだけの割合が行き渡るかを考えることです。以下は、ここ約1世紀にわたる米国の上位10%の所得シェアです。

バークレー校の経済学者Emmanuel Saezによる2013年の論文によると、世紀初頭から狂騒の1920年代にかけて、最上位層は所得の不釣り合いに大きな割合を得ていました。ニューディール政策と第二次世界大戦の後、その割合は急激に低下し、「大圧縮」と呼ばれることの多い時期を迎えました。1980年代初頭から現在にかけて、最高所得層のシェアは、20世紀初頭の水準へと急上昇し始めています。
しかし、上位10%だけを見ても全体像は分かりません。以下では、このグループをさらに細かく分けています。

上位十分位層の増加分の大半は上位1%によるもので、上位10%の残りの層の増加ははるかに小幅でした。
最上位層に目を向けると、この傾向はさらに顕著です。

所得上位1万分の1、つまり上位1%の中の上位1%は、2012年に総所得の約5.4%を得ていました。
所得のシェアがますます大きくなっていることに加え、上位0.01%の実質所得は過去30年間で約500%増加しました。一方、下位90%の実質所得は停滞しています。

Business Insider/Andy Kiersz、The World Top Incomes Databaseのデータ
20世紀の格差の変動は、所得ではなく富に着目すると、さらに劇的です。

上位0.1%が占める富の割合は、1980年代以降2倍以上に増加しました。これは、Emmanuel SaezとGabriel Zucmanが所得税申告から富を推計して行った 最近の研究によるものです。
富の格差拡大の一側面として、超富裕層は中間層よりも所得のうち貯蓄に回す割合がはるかに高いことが挙げられます。

下位90%の人々は、貯蓄を続けるのに十分な余剰所得がないことがよくあります。 Business InsiderのShane Ferroが述べたように、「人々には住む場所が必要ですし、大学に進学したいなら、上がり続ける授業料にも対応しなければなりません。所得が停滞する一方で、避けられない固定費は増えました。そのため、人々は以前の数十年間と同じ生活水準を保つために、貯蓄ではなく借金に頼るようになったのです。」
富の格差について興味深い点の一つは、米国人が格差の程度を大幅に過小評価していることです。

2010年の調査 では、米国人が理想とする富の分布も、実際の分布についての推定も、現実の富の分布よりはるかに平等なものだったことが示されました。
格差を考えるうえでもう一つ重要なのは、世代をまたいで所得分布の中を移動することが、人々にとってどれほど容易か、あるいは困難かという点です。

Business Insider/Andy Kiersz、Equality of Opportunity Projectのデータ
このグラフは、 Equality of Opportunity Projectのデータに基づいており、親の所得順位が高いほど、その子どもが所得分布の上位に入る可能性も高いことを示しています。すでに上位5分の1にいる親を持つ子どもが上位にとどまる可能性は、下位5分の1の子どもが上位に入る可能性の3倍を超えます。
世代間の社会的流動性は、米国内でも地域によって大きく異なります。

Business Insider/Andy Kiersz、Chettyほか、2014年6月のデータ
この地図は、 ハーバード大学のEquality of Opportunity Projectによる世代間の社会的流動性の指標を示しています。「絶対的流動性」とは、所得分布の下位半分の中央から出発する平均的な子どもが、大人になったときに所得順位のどこに位置するかを表します。地図上で色の薄い郡ほど世代間の流動性が高く、色の濃い郡ほど、親と同じ所得分布上の位置にとどまる子どもが多くなっています。
本記事は、 Business Insiderとの協力により掲載しています。掲載は、世界経済フォーラムが本記事の見解を支持することを意味するものではありません。
アジェンダの最新情報を受け取るには、 週刊ニュースレターにご登録ください。
著者:Andy KierszはBusiness Insiderの定量分析担当記者です。
画像:オークランドで行われた米国市民権・移民局の帰化式典で、女性が米国旗の束を手にしている。REUTERS/Robert Galbraith。

