デジタル決済がインド農村部の女性に新たな経済機会をもたらす仕組み

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  • インドでは、農村部に暮らし、現金のみで商売を営む何百万人もの女性起業家が、パンデミックで大きな打撃を受けました。

  • デジタル決済は、こうした女性たちに、より大きな経済機会と、強靭な事業を築くための手段をもたらします。

  • インド最大の労働組合であるSEWAは、デジタル決済の使い方を40万人の女性に教えてきました。

インドには、2020年時点で零細・小規模・中規模企業が6,300万社以上あり、その半数は農村部にあります。農村部の企業の約20%は女性が所有しています。こうした企業は現金のみでの取引に慣れており、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生すると、生計は大きな打撃を受けました。

事業のデジタル化は、農村部の女性商店主が現在の危機や今後の危機によりうまく対処し、新たな経済機会を得る助けになります。しかし、まず必要なのは、携帯電話を所有することや、モバイルアプリやオンラインアプリケーションを使いこなすデジタルスキルを身につけることなど、接続環境を整えることです。こうしたツールやスキルは、地域社会のすべての人に均等に行き渡っているわけではありません。そのため、「携帯電話の所有におけるジェンダー格差の解消」は、金融の平等を実現するための10の取り組みの一つです。金融の平等の実現。

最近のGlobal Findex 2021データベースによると、正式な金融サービスが世界的に拡大するなか、新型コロナウイルス感染症をきっかけにデジタル決済の利用が大幅に増加しました。現在、世界の成人の4分の3が銀行口座またはモバイルマネー口座を持ち、口座保有におけるジェンダー格差は縮小しています。しかしインドでは、口座を持つ女性がデジタル決済を利用する可能性は、口座を持つ男性より依然として18パーセントポイント低いことが明らかになりました。デジタルリテラシーは、この状況を変える助けとなり、SEWAのような組織が役割を果たせます。

労働組合が組合員にデジタル決済の研修を提供

その一例が、インド最古かつ最大の労働組合である、自営業女性協会(SEWA)です。同協会はこのほど、国連を基盤とするBetter Than Cash Allianceに加盟しました。SEWAは、インフォーマルセクターで働く200万人を超える女性組合員の生活と生計の向上を目指しています。組合員には、縫製職人、工芸職人、販売業者、小規模農家や限界農家が含まれます。

SEWAはオンライン技能習得アカデミー「Manager in School」で、デジタル口座の開設方法や取引の方法を組合員に教えています。このスキルは、パンデミックの間、ガンガ・ジャイラム・パルマールさんの事業を存続させ、拡大するうえで重要な鍵となりました。

ガンガさんは、インド西部グジャラート州のジンジュバダ村で食料配給品店を営んでいます。以前は現金の計算や在庫管理、レジの管理に多くの時間を費やしていました。7年生までしか学校に通っていなかったため、計算を間違えることがよくあり、帳簿を照合するために時間をかけたり、人を雇ったりする必要がありました。

世界経済フォーラムは、包摂的で持続可能なデジタル経済をどのように推進しているのか

モバイルを使ったデジタル決済アプリの研修によって、彼女の生活は改善しました。知識とスキルを身につけたことが転機となりました。今では現金を管理・計算して銀行口座に預ける必要がなくなりました。節約できた時間を事業の拡大や収入増加に役立てています。今では7つの村にも食料配給品を届けています。「解放された気持ちです。お客さんにも決済アプリで支払う方法を教えました」とガンガさんは話します。

SEWAは40万人の女性を訓練してきました。デジタル決済の利用は、たいてい懐疑的な気持ちから始まることを踏まえてのことです。多くの場合、利用者にとってデジタル金融は初めての経験です。十分なサービスを受けていない利用者の多くは、デジタル決済を信用していないか、よく知りません。そのため、デジタル決済は常に確実に機能する必要があります。少しでも不具合があれば、利用者はすぐに現金払いに戻ってしまいます。

責任あるデジタル決済に関する国連原則は、国連を基盤とするBetter Than Cash Allianceが策定したもので、信頼の構築、リスクの軽減、包摂的な経済の促進を目指して責任あるデジタル決済を導入する政府、企業、国際機関にとって実践的な指針となります。

責任あるデジタル決済は、女性が構造的・社会的な障壁を乗り越える力になります。SEWAの別の組合員であるミーナベン・ワジャバイ・ヴィラムガマさんは、こう話します。「銀行に行く時間とお金を捻出するのに、本当に苦労していました。銀行では、ほかの利用客や、ほとんどが男性の銀行職員の前で振込用紙に記入するのが不安でした。家なら、自分のペースで都合のよいときに何でもできます。携帯電話のおかげで、世界が自分の玄関先までやってきました」

デジタル決済アプリが女性起業家のネットワークを構築

ユーザーのニーズに合わせた設計(原則5)が意味することを示すため、SEWAはフィンテック企業と協力し、組合員向けのアプリ「M-bachat」を開発しました(bachatは「貯蓄」の意味です)。このアプリを使うと、SEWAの組合員が販売する食料品をデジタルで注文できます。アプリはグジャラート語で提供されており、ユーザーが簡単に操作できるよう、現地語のコンテンツが重要であることを示しています。これは信頼の構築にもつながります。起業家ネットワークにデジタル市場を提供するため、SEWAはオンライン市場も運営しており、農村部の女性工芸職人が商品を販売できます。

今日のデジタル革命は、2030年までの持続可能な開発目標の達成を加速させています。また、農村部の女性たちが受け身で支援を待っているという見方にも疑問を投げかけています。デジタル経済に参加できることは、低所得の女性の人生を変えるだけでなく、経済にも恩恵をもたらします。中小企業のデジタル化により、2024年までにインドのGDPは1,580億~2,160億ドル増加する可能性があります。

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