子どもをオンラインで安全に守る方法

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  • 子どものウェルビーイングには、オンラインで過ごす時間の長さよりも、オンラインで何をしているかのほうが大きく影響します。

  • 保護者、教育関係者、子どもたちが新たなリスクについて知り、自分自身を守るための備えと自信を身につけられるようにする必要があります。

  • 批判的思考は、ソーシャルエンジニアリング、接触に関するリスク、誤情報など、さまざまなサイバー脅威から子どもを守ります。

Common Sense Mediaの調査によると、2019年、8~12歳の子どもの平均スクリーン利用時間は1日5時間で、10代では7時間を大きく超えていました。当然ながら、この最近の調査によれば、世界的なロックダウン中には、さらに幼い子どもたちもスクリーンに触れる機会が増えていきました。

懸念を抱く大人は、子どものスクリーン利用時間が長すぎることや、オンラインのリスクがメリットを上回ることを心配します。そのため、こうした保護者は、子どもが安全にオンラインに参加できるようにするよりも、インターネットの利用を制限することに力を入れがちです。

スクリーン利用時間が子どもに与える影響については、いまだ議論が続いていますが、ユニセフの報告書『つながる世界で育つ』は、子どものウェルビーイングにはオンラインで過ごす時間の長さよりも、オンラインで何をしているかのほうが大きく影響し、オンラインでより積極的に活動する子どもは、オンライン上のリスクへの対処もより得意であると示唆しています。

したがって、大人は子どものインターネット利用を妨げるのではなく、オンラインでの経験を効果的に支援する方法を学ぶべきです。しかし、複雑で急速に進化するテクノロジーを前に、多くの保護者は、自分より技術に詳しいことも多い子どもたちを導く自信を十分に持てずにいます。

リスクが常に被害につながるわけではないことを忘れてはなりません。オンライン上のリスクにさらされても、その経験に対処する知識と回復力があれば、子どもが被害を受けずに済むことがあります。

子どもが直面するオンライン上のリスク

OECDのリスク類型は、保護者、教育関係者、子どもたちが知っておくべき新たなリスクを実践的に検討しています。簡潔にまとめると、次のとおりです。

  • コンテンツリスク:憎悪をあおるもの、有害または違法なコンテンツ、偽情報などが含まれます。

  • 行動リスク:これらは、 セクスティングやネットいじめの場合など、子ども自身の行動によって子どもが弱い立場に置かれるリスクを指します。

  • 接触リスク:これには、 次のものが 含まれます。オンライン上の性的搾取者、人身売買、サイバーグルーミングは、OECD諸国で懸念が高まっている問題として認識されています。

  • 消費者リスク:不適切なマーケティングメッセージやオンライン詐欺などが該当します。

  • プライバシーリスク:多くの子どもは、目にするプライバシーに関する開示内容や、自分の個人情報の価値をまだ理解していません。保護者が過剰に共有したいという願望(「シェアレンティング」)も、プライバシーやセキュリティ上の懸念を生むことがあります。

  • 先端技術に伴うリスク:AIを活用した技術、モノのインターネット(IoT)、拡張現実(XR)の利用は、さらなるリスクをもたらします。メタバースの没入型仮想世界には、新たな脅威や深刻化した脅威が伴い、その多くはまだ十分に理解されていません。

保護者へのアドバイス

オフラインの世界での安全について子どもに教えるのと同じように、オンライン上のリスクについても話し合う必要があります。家庭内の取り決めを作ることは、こうしたリスクや望ましい行動について話し合いを始め、スクリーン利用時間に健全な境界を設けるうえで効果的です。

ペアレンタルコントロールツールを使うと、子どもの端末上で露骨な内容や不快なコンテンツ、アプリをブロックできます。利用を始める前に、その理由を話し合い、子どものプライバシーを尊重するルールに合意することが大切です。

サイバー犯罪者、詐欺師、子どもを狙う者が共通してよく用いる手口の一つが、ソーシャルエンジニアリングです。これは、被害者の感情を刺激して批判的思考を抑え込むことを指します。ソーシャルエンジニアリングから身を守るには、子どもも大人も個人情報を過剰に共有せず、何かに感情を揺さぶられたときには一段と警戒する必要があります。

「セキュリティ上の問題が発生しました」と不安にさせるメッセージ、「まもなく期限切れになります」と急がせるメッセージ、「プロフィール写真が素敵ですね」とおだてるメッセージ、あるいは取り残されることへの不安(FOMO)をかき立てるメッセージを受け取ったら、警戒すべきだと子どもに説明しましょう。

批判的思考と適度な懐疑心は、ソーシャルエンジニアリング詐欺、オンライン詐欺、誤情報、グルーミングの誘いを見抜くための重要な手段です。

保護者と教育関係者の双方に、さらに詳しい指針を提供する優れたオンラインリソースがあります。

教育関係者と政策立案者

政策立案者は、サイバーセキュリティへの意識と批判的思考を不可欠なライフスキルとし、子どもがオンライン上のリスクに備えられるよう、公立学校の教科横断的なカリキュラムに組み込む必要があります。

サイバーセキュリティに関して、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか。

サイバーセキュリティセンターは、リーダーたちが集まり、変化するサイバーリスクとそのシステム全体への影響を理解するための、信頼できるプラットフォームを提供しています。相互接続がますます進むデジタル世界で、理解と信頼の構築に取り組んでいます。

分野を超えた協力と知見の共有を可能にすることで、同センターはパートナーのサイバー・レジリエンス強化を支援し、集団的な対応を要する課題に取り組んでいます。

同センターの取り組みを見る

たとえば、フィンランドの例のように、数学では統計を使っていかに簡単に人を欺けるかを教え、美術では画像がどのように加工されるかを学び、歴史では過去のプロパガンダ活動を今日のフェイクニュースや誤情報と結びつけて考えることができます。ここで目指すべきなのは、情報を冷笑的ではなく、批判的に捉えられるようになることです。

だからといって、責任を子どもだけに負わせるべきではありません。政府は、脆弱な立場にある人々を守る責任を、テクノロジーやコンテンツの提供者に負わせるべきです。官民両部門は、世界経済フォーラムのデジタル安全性グローバル連合などの関連作業部会と国際的に連携し、有害なコンテンツに対処するとともに、オンライン上の被害リスクを減らすための協調行動を取るべきです。政府は必要な法的・政策的枠組みを執行する必要があります。

ジェシカ・レイヒーは著書『失敗の贈り物』で、過保護な親は、不安が強くリスクを避け、自分の力で身を守る備えができていない子どもを育ててしまうと述べています。

「自律性を支える子育て」という視点をオンラインの世界にも取り入れることで、子どもにリスクを教えると同時に、探求する余地を与え、自分自身の決断の結果として失敗したり成功したりすることを認められます。

つまり、起こり得るあらゆるインターネット上のリスクを制限しようとするのではなく、保護者や教育関係者は、意識を高め、批判的思考、マインドフルネス、自制心を育むことに力を注ぐべきです。これらは、デジタルの世界だけでなくオフラインの世界でも適切に行動するために欠かせない前提条件です。

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