オピニオン:データ規制はいかにインターネットの自由を損なうか

The post-Cold War vision of internet freedom is under threat.
The post-Cold War vision of internet freedom is under threat.Image: Getty Images/iStockphoto
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  • 各国がデジタル主権を追求して競い合うなか、開かれたインターネットの未来が危機にさらされている。

  • 市民や企業を統制するため、「デジタルの鉄のカーテン」を築く方法を見いだす政府が増えている。

  • 私たちが知る自由なインターネットを守るには、政府、企業、サイバーセキュリティ業界が世界規模で協力しなければならない。

インターネットガバナンスの未来は今、世界各国の政府によって形作られている。デジタル政策は根本的な変化を遂げており、デジタル時代に享受できる自由の度合いと、表現やコミュニケーションの場としてのインターネットの可能性の双方に影響を及ぼしている。

ワールド・ワイド・ウェブの発明者ティム・バーナーズ=リーは、かつてこう述べた。インターネットの未来における大きな課題は、「開かれた方法で運営すること――官僚主義に陥りすぎず、政治的・商業的圧力に左右されないこと」だと。インターネットはあまりに巨大で、分散化され、急速に成長しているため、単独の政府や企業が制御することはできないと多くの人が考えていたが、この警告は先見の明があったことが証明された。

デジタル経済におけるテクノロジー企業や巨大ソーシャルメディア企業の支配力は、重大な論点となっている。しかし、開かれた自由なインターネットという構想は(大部分において)大多数の政府に支持されてきた。というのも、当時の通説では、開かれた自由なインターネットが社会をより開かれた自由なものにすると考えられていたからだ。そのため、中国、北朝鮮、イランなどの権威主義的で抑圧的な政策は非難されてきた。

今日、冷戦後に形成されたデジタル分野の合意は崩れつつあり、かつて例外的だったこうした政策が当たり前になりつつある。インターネットは抑え込めず、自由化を促すという世界的な楽観論は、急速に弱まっている。

デジタルの鉄のカーテンの台頭(あるいは後退)

小国も大国も、強国も弱国も、世界各地で個人データを管理・制限する取り組みを加速させている。情報技術・イノベーション財団によると、データの保存を特定の国に制限、または義務付ける法律、規制、政策の数は、2倍以上に増え、2017年から2021年にかけて67件から144件に増加した。

こうした法律のなかには、善意に基づくものもあるだろう。市民は、オンライン上の偽情報、憎悪、過激主義の拡散や、組織的なサイバー監視の阻止を支持するはずだ。サイバー自由主義者ジョン・ペリー・バーロウが政府に向けて発した、サイバー空間では「放っておいてくれ」という呼びかけも、この文脈では説得力を失う。

政府によるインターネット監視が強まっている。Image: 情報技術・イノベーション財団

しかし、デジタル政策のなかには、企業と市民の双方にとって抑圧的なものもある。大手テクノロジー企業の支配力に対する正当な懸念が、デジタル領域のほかの分野にも広がっている。

こうした「デジタルの鉄のカーテン」にはさまざまな形がある。共通しているのは、インターネット(またはその一部)や個人データを国ごとの枠内に囲い込もうとすることだ。これにより、インターネットが分断され、つながりを生み出す力が弱まり、基本的なデジタルの自由が侵害されるおそれがある。

デジタル領域における企業への強制

企業の側では、政府がインターネット遮断(ミャンマーやイランなど)への協力を企業に求める圧力を、前例のないほど強めている。昨年だけで、少なくとも182件のインターネット遮断が34カ国で発生した。同様に、企業はデータの保存や国内設置に関する法律にも従うよう強制されている。こうした法律は企業に市民のデータを収集して提出するよう求める(インドは最近、同様の法律の制定を試みたが、失敗した)。

企業にとってこれはしばしば、法律に従うか、違反するかという二者択一として提示される。後者を選べば、企業幹部や企業全体が法的責任を問われる可能性がある。一方で、企業市民として守る責任を負う基本的人権との対立も生じる。

2019年、ロシアは物議を醸すサイバーセキュリティ法を可決し、政府が国内のインターネットを管理し、遮断できるようにした。ロシアのメディア・通信規制当局ロスコムナゾールは、NordVPNに連邦国家情報システムへの接続を要求した。接続すれば、当局はコンテンツを一元管理し、禁止ウェブサイトにアクセスする利用者を監視できるようになっていた。NordVPNは要求への対応を拒否し、ロシアからサーバーを撤去した。

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国境のないインターネットの終焉か?

今では、この傾向を推し進めているのは、こうした露骨に抑圧的な事例だけではない。インターネットと個人データの未来そのものが、地政学的競争の軸となっている。私たちの機微な情報は、常に企業や悪意ある者にとって価値あるものだったが、今や国内政治と世界政治にも不可欠な要素となっている。各国政府はデジタル主権を追求し、新たな政策や制限を実施している。

こうした流れのなか、欧州連合、米国、ケニア、英国、南アフリカなどの国や地域連合は、国境の内外でデータを移動できるかどうかについて基準を設けている。もちろん、中国、イラン、ロシアの一部の法律ほど抑圧的ではない。しかし、こうしたデジタルの鉄のカーテン政策は、実務面でも理念面でもインターネットのつながりを生み出す力を少しずつ損なっている。多くの政策(GDPRなど)が、市民が自分のデータを管理し、所有する力を高めるとも考えられるにもかかわらずだ。

データ規制は、サイバーセキュリティとプライバシーの状況を改善するものであるべきで、新たなリスクを持ち込むべきではない。オンラインの世界における人々の安全と安心を犠牲にして規制を行ってはならない。このバランスを取る責任を個々の組織だけに負わせることはできない。

政府は政策立案の中心にデジタルの自由を据えなければならない。法的枠組みは人権を中核に置き、NGOや業界関係者と知識を共有する必要がある。また、インターネットの相互接続性と開放性を守るべきだ。

とはいえ、開かれたインターネットには一定の監督が必要だ。だが、強圧的なデジタルの鉄のカーテンと、自律的に運営されるインターネット独占の双方を避け、最適なバランスを取るには、どのような方法が正しいのだろうか。最も弱い立場にある利用者を守り、プライバシーと表現の自由も保護する方法とは。イノベーションを可能にしながら、選択の自由も確保する方法とは。確かなことが一つある。デジタルの開放性について、政府、業界、NGOの間で緊密な対話が必要だ。

開かれた自由なインターネットの存在が脅かされている。オンライン上の権利が危険にさらされるのを許せば、その影響はオフラインの世界にも波及するだろう。完璧なバランスなど存在しないのかもしれないが、今こそ対話を始めなければならない。そうすれば、デジタルの鉄のカーテンの台頭によって、社会、文化、国家の境界を越えて自由にコミュニケーションする力が損なわれることを防げる。

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