規制当局の期待とAIにより、サステナビリティは独立した機能から、企業全体で共有される責任へと移行しつつあります。
サステナビリティの監督は、年に一度見直されて棚上げされるのではなく、他の重要な経営課題と同様に扱われるべきです。
組織は、サステナビリティが事業運営に実際に組み込まれているのか、それとも大部分が修辞にとどまっているのかを評価する必要があります。
過去数年間で、前の10年間にサステナビリティ推進チームを設置した多くの企業が、その方針を見直し、後退させています。
これを後退、つまりサステナビリティへのコミットメントは最初から交渉可能だったことの証左と読み取るのは容易です。しかし、ほとんどの場合、それは誤った解釈です。
撤退に見えるものは、むしろ再設計に近いものです。すなわち、肩書きを持つ少数のチームが所有する独立した機能としてのサステナビリティから、ガバナンス、リスク、業務全体に分散された共有責任としてのサステナビリティへの移行です。
このパターンは複数の業界で見られ、説明責任をどこに置くべきかについて、より広範な再考が進んでいることを示唆しています。
サステナビリティ推進チームへの圧力が高まっている理由
この移行の背後にある圧力は現実のものであり、消えることはありません。
規制当局の期待は、単一の年次報告サイクルでは吸収しきれないほどの速さで変化しています。さらに、管轄地域によって異なる傾向が強まっており、グローバル企業は場当たり的な対応ではなく、体系的な仕組みを構築せざるを得なくなっています。
一方で、人工知能(AI)は、ガバナンス上の課題と、企業が説明すべき環境負荷の両方を拡大させています。さらに、投資家、顧客、従業員は、サステナビリティへのコミットメントを、年次報告書に何が書かれているかではなく、企業が日々どのように事業を運営しているかによって、ますます判断するようになっています。
これらの要因が相まって、サステナビリティを独立した部門から引き離し、企業が自らを運営するための既存の仕組み、すなわち戦略、リスク管理、ガバナンスへと組み込ませつつあります。
この動きには現実的なリスクが伴います。サステナビリティ推進チームを解散しても、その責任が自動的に分散されるわけではありません。むしろ、指標は引き続き追跡されているものの、その成果に対して誰も明確な責任を負わないという空白が生じかねません。
問題となるのは、組織図上のサステナビリティ関連の肩書きが減ることではありません。問題は、設計なき分散です。責任があまりに広く散らばるため、いかなる部門、委員会、リーダーも、それを担う立場になく、誰もが他の誰かが責任者だと思い込む中で、進捗が静かに停滞してしまうことです。
この空白を避けるには、善意ではなく、意図的な設計が必要です。
実践的には、サステナビリティの監督を、年に一度見直して棚上げするのではなく、他の重要な経営課題と同じガバナンスのサイクルに合わせることを意味します。また、サステナビリティ関連のリスクを全社的リスク管理に直接組み込むことを意味します。規制上のリスク、技術リスク、戦略計画を統合し、上級幹部が目を通さないかもしれない別個の報告書で追跡するのではなく、一体的に管理するということです。
また、明確に責任を割り当てた部門横断的な体制を構築し、責任が偶然その業務を引き継いだ部門に自動的に帰属しないようにすることを意味します。さらに一部の企業にとっては、リーダーの評価指標をサステナビリティの成果と連動させ、説明責任に実質的な重みを持たせることを意味します。
サステナビリティに説明責任を組み込む
例として、私の会社であるGenesysを挙げましょう。同社のサステナビリティ推進チームは、「地球」「人」「業績」の3つの柱に沿って、戦略とFY31目標を策定しています。これらの目標の達成に対する説明責任は、そのチームだけに委ねられているわけではありません。
同社の取締役会は、少なくとも年に1回、サステナビリティに特化した会議を開催しています。さらに、取り組み、指標、新たな課題に関する説明は四半期ごとに行われています。これは、取締役会が重要な経営課題として扱う他の事項と同じ頻度です。
Genesysの全社的リスク管理プログラムは、部門横断的な利害関係者と経営陣が監督しており、サステナビリティへのコミットメントを、別個の業務としてではなく、AIによる変革や規制の変化と並んで評価すべきリスクとして扱っています。
同社は、AIのガバナンスにも同様の考え方を適用しています。エンジニアリング、研究開発、製品部門のメンバーで構成される部門横断的なAI倫理委員会が、AI原則とコンプライアンスに対して明確な責任を負っています。これらの課題を、機能をリリースするチームに委ねるのではありません。
これは唯一のモデルでもなければ、完成形でもありません。サステナビリティをどのように組み込むかは、企業の規模、業種、成熟度、リスクプロファイルによって、企業ごとに異なります。
重要なのは、企業のサステナビリティへの取り組みの根底にある構造です。すなわち、中央の専門知識が確固として維持され、事業責任者が明確に説明責任を負い、問題が業績の失敗となる前に、ガバナンスによって可視性が確保されていることです。
御社のビジネスは、サステナビリティへの道を歩んでいますか?
いくつかの質問により、どのリーダーも、組み込みが実態を伴うものか、それとも単なる修辞にすぎないかを検証できます。
サステナビリティは、他の重要な経営課題と同じガバナンスのスケジュールで扱われていますか。それとも年に一度だけ扱われていますか。
サステナビリティのリスクは、企業がすでに真剣に捉えているリスクと並んで評価されていますか。それとも、見落とされやすい別個の場所で追跡されていますか。
もし明日、肩書きに「サステナビリティ」という言葉を含むチームが消滅したら、そのチームが行っていた業務について、他の誰かが明確に責任を問われるでしょうか。
これらの質問は、企業が単独では完全に答えられないものです。サプライチェーン、業界標準、規制の枠組みは共有のインフラであり、だからこそ、競合他社、規制当局、市民社会を同じテーブルに着かせるフォーラムが重要なのです。それにより企業は、どのような目標を設定したかだけでなく、説明責任をどのように分担しているかを比較できます。
より多くの企業がサステナビリティの管理体制を再編するなかで、問うべき問いは「誰がそれを所有しているか」ではありません。説明責任が実際に設計に組み込まれているのか、それとも次の組織再編を自然に生き延びると想定されているだけなのか、という点です。





