研究によると、音楽は社会的・政治的な対立を経験している集団のメンバーを、より人間らしく感じさせる効果をもたらす可能性がある。
「私は人生の大半で音楽を演奏してきました。そして、私たちが音楽にどう反応するのか、なぜ演奏するのか、さらにはなぜ音楽が文化の中に存在するのか、その間にはつながりがあると気づきました」と、アリゾナ大学コミュニケーション学部の教授、ジェイク・ハーウッドは語る。
「音楽が私たちにとって非常に重要な働きをしなかったなら、文明の中で発展することはなかったでしょう」とハーウッドは言う。「音楽によって、私たちは互いに人間として共通するものを伝えられます。人生のほかの場面ではすぐに気づかない形で、多様性の価値を示してくれるのです。」
ある研究でハーウッドは、大学院生研究者のファラ・カダール、チェンユ・チェンとともに、アラブ人と米国人の俳優が一緒に演奏する模擬ニュース映像を制作した。研究チームはその映像を、アラブ人ではない米国の参加者に見せた。2つの文化が音楽を通じて協力する様子を見た参加者は、アラブ人に対してより肯定的な印象、つまり偏見の少ない見方を報告する傾向があることが分かった。
「音楽を融合させる行為は、私たちが目指していることの比喩です。音楽の中で2つの視点を融合させると、感情的なつながりが見えてきます。その効果は普遍的です」と、2016年にコミュニケーション学の修士号を取得したカダールは言う。
研究チームはこの知見をJournal of Communication誌で発表した。
「人々が一緒に音楽を演奏すると、複数の意味で時間を共有することになります。単に一緒に『時間を過ごす』のではなく、非常に具体的で、同期し、調整された形で時間を共有するのです」と、ハーウッド、カダール、チェンは論文に記している。「身体の動きは高度に連動し、ミリ秒単位で調整された目的意識を共有します。」
もう一つの大きな発見は、本人が楽器を演奏しなくても、顕著な効果が見られたことだ。外集団のメンバーが作った音楽を聴くだけでも、そのメンバーに対する否定的な感情を和らげる助けになったと、ハーウッドは述べる。
「アラブ音楽を演奏することだけが重要なのではありません。主流の米国文化とアラブ文化の境界を融合させる音楽をアラブ人が演奏しているのを見ると、2つの集団を結びつけて考えるようになります」とハーウッドは言う。
今週サンディエゴで開かれる国際コミュニケーション学会の会議で発表する別の進行中の研究では、ハーウッドとニューカッスル大学のステファニア・パオリーニが、多様性に対する人々の評価を測り、他の集団のメンバーについてどう感じているかを調べた。その後、研究チームは人々に異なる文化の音楽を聴いてもらい、どの程度楽しんだか、またその音楽が表す人々をどう受け止めたかを報告してもらった。
多様性を重んじる人は異なる文化の音楽を楽しんで聴く傾向が強く、聴くという行為によって、多様性を支持する信念がさらに強まることが分かった。
「これは一種の螺旋効果です。多様性を重んじるなら、異なる文化の音楽をもっと聴くようになります」とハーウッドは言い、この研究は現在も続いていると付け加える。「いつも同じ種類の音楽ばかり聴いていると、均質化が進み、人々が多様性をより重んじるようになる助けにはあまりなりません。」
ハーウッドと共同研究者たちにとって、この知見は、数十年前に始まったワールドミュージックのブームや、世界各地の演奏家が近年、外集団の音楽的伝統や要素を頻繁に取り入れ、参照し合っている事例を裏付けるものだ。
ハーウッドは、ポール・サイモンのGracelandアルバムを、初期の注目すべき例として挙げた。1986年に発売されたこのアルバムは、南アフリカの楽器編成やリズムから影響を受けている。
「これがワールドミュージック現象の始まりでした。突然、誰もがアフリカ音楽を聴きたがるようになった。次はインドネシア音楽、その次はアルジェリア音楽。そして、異なる音楽文化や人々が互いに協力し、新しい音楽が形作られる様子が見られるようになります」とハーウッドは言う。
ハーウッドによると、エミネムやリアーナなどのアーティストも、文化の境界を越える音楽に挑戦している。「こうした相互協力がなければ存在しなかったであろう、新しいタイプの音楽が生まれています。」
ハーウッドはまた、チームの知見は、異文化間の理解と結束を築くために直接的な接触や対話を促す、従来の研究や新たに登場した集団間対話のモデルを土台にしていると述べる。
「音楽を、美しく美的な趣味のようなものではなく、人間の社会的な活動として捉え、私たち皆にとってどれほど根本的なものかを理解しなければなりません」と彼は言う。「そうすれば、他の集団の人々をより人間らしい存在として見始め、互いを同じ集団の一員として再分類し始めることができます。」
