昨年11月、米国各地の地方選挙および州全体の選挙で、女性、有色人種、LGBTQコミュニティの人々が過去最多の当選を果たしました。有権者は、イスラム教徒の女性として初めて、また先住アメリカ人女性として初めて連邦議会議員となる人々を選出しました。2018年の中間選挙の結果は、多様性と包摂性の向上を力強く支持するものでした。変化する人口構成を反映しただけでなく、国の理想を掲げる標語、e pluribus unum「多から一へ」という標語の意義も裏付けました。これは、米国議会と同じく、あらゆる機関が自らの奉仕する人々を代表する必要があること、そしてそれが文化機関にとっても明らかに重要であることを改めて思い起こさせるものでした。私たちのコミュニティに属する人々の声を一つでも聞き逃すなら、知識と学術を託されるにふさわしい守り手とは言えません。
しかし、米国博物館同盟(AAM)が2017年に発表した博物館理事会のリーダーシップに関する報告書は、博物館来館者のうちマイノリティはわずか9%という残念な実態を明らかにしました。職員については状況がわずかに良く、博物館職員に占めるマイノリティは約20%です。2015年、ニューヨーク市のホイットニー美術館の開館に際し、ミシェル・オバマ元大統領夫人は、この現実がもたらす影響について語りました。彼女はこう述べました。「この国には、博物館やコンサートホールなどの文化施設を見て、『ここは私の居場所ではない。私のような人や、私の近所から来た人のための場所ではない』と思う子どもたちが大勢います。」
より多様な機関を築くには、まず自分たちの専門分野の現状を率直に話し合い、来館者層の多様性を十分に考慮してこなかったことがあれば、正直に認めなければなりません。そのうえで、多様な職場を育み、歴史の中で見過ごされがちな人々の物語を伝える展覧会を企画し、学芸員、研究者、学者、教育者からさらに幅広い視点を引き出すことで、自分たちの文化を変えていく必要があります。
博物館やその他の文化機関の多様化を妨げてきた要因の一つに、博物館の展示企画や学術研究に広く浸透しがちな西洋中心の考え方があります。
2017年、ドイツのクンストハレ・ブレーメン美術館は、収蔵品が暗黙のうちに是認していた植民地主義的な世界観に、展覧会「ブラインド・スポット」で向き合いました。同展のキュレーターであるユリア・ビンターは、こう述べました。「暗い側面も含めて自分たちの歴史を知って初めて、現在と未来をより良い形で築くことができます。」
スミソニアンは、文化への配慮と包摂性を高めるため、これまでの慣行を見直し、改善してきました。創設から172年を経た博物館・教育・研究機関として、収蔵品の多くは、博物館の望ましい実践が体系化される何十年も前、また博物館関係者が自らの仕事が異なる文化に及ぼし得る悪影響を考えるようになる前に収集されたものです。今日では、国立アメリカ・インディアン博物館(NMAI)と国立自然史博物館が主導し、先住アメリカ人の収蔵品を持つ米国の他のどの博物館複合施設よりも多く、文化遺産、人骨、葬祭用具、神聖な品々を返還してきました。
文化機関には、来館者の信頼を失わないよう、歴史の検証にも同じ厳密さを適用する責任があります。スミソニアンは議会の支援に恵まれ、NMAIから最新の博物館である国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館まで、従来十分に代表されてこなかった人々に焦点を当てた博物館全体を開館できました。痛みを伴う過去のありのままの真実を示すことで、この息をのむような博物館は、現代社会の不平等、社会における多様性の役割、そして国の人種間の分断を癒やすための道筋について、より大きな議論を促し始めています。
博物館は収蔵品を定期的に見直し、多様な来館者により効果的に伝わる形で展示することも必要です。アトランタのハイ美術館がギャラリーを再構想し、展示を一新した際、主任キュレーターのケビン・タッカーはこう述べました。「博物館のコレクションは、常に増え、進化するものです。今回の機会を通じて、既存の展示を丁寧に見直し、作品を新たな形で来館者に響くように再展示できました。デザインから解説まで、新たな展示は全体を通して、公平性、多様性、親しみやすさを取り入れています。」
スミソニアンの収蔵品も、多様な来館者とのつながりを生む形で紹介しています。国立アメリカ歴史博物館に開設予定のラティーノ・ギャラリーは、ラティーノコミュニティの貢献を余すところなく伝える力を高めます。また、最近始動したスミソニアン米国女性史イニシアチブは、組織全体で女性の声を広め、多様な来館者に届け、展覧会やプログラムを通じて次世代を力づける取り組みです。
文化機関が包摂性を高めるもう一つの方法は、職員の多様化です。フォード財団のダレン・ウォーカー理事長は、「職員が多様でなければ、博物館は優れた存在にはなれません」と述べました。博物館業界に入る人材の裾野を広げるため、フォード財団とウォルトン・ファミリー財団は共同で、学芸員や運営陣の多様化を目指す美術館の20のプログラムに、3年間で600万ドルを拠出することを約束しました。
2つの大学の学長を務め、現在はスミソニアンの事務局長として、多くの場面で多様性と包摂性の価値を身をもって見てきました。だからこそ、アクセシビリティ・プログラムでは、見過ごされがちな人々の一群である障害のある人々を含め、すべての人が職場に加われるよう取り組んでいます。より効果的にすべての人に奉仕するため、スミソニアンは、移動に制約のある人がバーチャルリアリティを通じて美術作品の展示を体験できるようにし、発達障害のある若者を対象としたインターンシップに参加し、認知や感覚処理に障害のある子どもたちが一般公開前に博物館を訪問できるプログラムを開発しました。
また、私たちは、ダボス年次総会で、Access+Abilityを通じてこの議論を促したいと考えました。これは、クーパー・ヒューイット・スミソニアン・デザイン・ミュージアムと世界経済フォーラムの協働によるもので、クーパー・ヒューイットの展覧会を基にしています。障害のある人々が開発した、また彼らのために開発された製品、プロジェクト、サービスを紹介しています。文化機関が発信力と影響力の向上を目指すなか、障害のある人々を議論の中心に据える方法を、私たち全員が探るべきです。
文化機関の多様化を進める理由は数多くありますが、あまり注目されていない理由の一つは、多様な職員がより良い成果を生むことです。スコット・ペイジ教授は著書『The Diversity Bonus: How Great Teams Pay Off(多様性のボーナス:優れたチームが成果を上げる理由)』で、そう結論づけています。多様性というと、通常は「アイデンティティの多様性」、つまり私たちが何者であるかを考えます。彼が論じるのは、認知的多様性、つまり私たちがどう考えるかの価値です。それは革新や創造性を促す新たな洞察をもたらします。複雑な問題に取り組むチームでは、メンバーの認知的多様性がチーム全体の能力より重要であり、多様なチームの生産性に文字どおりの上乗せ効果をもたらすことが研究で証明されています。2種類の多様性には相関があるため、一方を高めれば、もう一方も高まります。
機関、国家、コミュニティには、共通する真実があります。多様性は私たちの強みです。この真実を受け入れることは、正しい行いであるだけでなく、最終的には利益にもつながります。しかし文化機関は、多様性の豊かさを通じて人々を教育し、鼓舞する力において、他の多くの機関とは一線を画しています。
文化的な表象が持つ人を鼓舞する力を何よりもよく伝えるのは、昨年初め、スミソニアン国立肖像画美術館に展示されたオバマ夫人の肖像画を、釘付けになって見つめる少女、パーカー・カリーの写真が広く拡散したことです。彼女はその絵の中に自分自身を見いだしました。心を奪われた理由を十分理解するには幼すぎたかもしれませんが、米国初のアフリカ系アメリカ人のファーストレディに自分を重ねることができました。
スミソニアンで目にする最もうれしい光景の一つは、収蔵品に心を動かされた子どもの顔が、ひらめきを得て輝く瞬間です。歴史を語り、文化を守る者として、民族、宗教、背景、能力にかかわらず、あらゆる世代の夢を羽ばたかせることが私たちの責任です。そのためには、誰もが私たちの仕事、職員、価値観の中に自分自身を見いだせるようにしなければなりません。そうすれば、来館者を制限するものは、その想像力だけになります。

