お気に入りの作家の作品をベッドや電車の中、あるいは公園で読むことには慣れているかもしれません。しかし、街灯や肉屋の店先の窓、ごみ箱に貼られた作品を見たことはありますか。
インドでは多くの人にとって本が手の届かない存在です。作家のマノジ・パンデイとイラストレーターのニディン・クンダティルは、文学を誰もが楽しめるようにするには、まさにこの風変わりな発想が必要だと考えました。
2人はシェイクスピアやオスカー・ワイルドからサルマン・ラシュディまで、偉大な作家の作品から人目を引く一節をあしらったステッカーやポスターを手に街へ繰り出し、ムーブメントが生まれました。
その名はStickLit。パンデイとクンダティルによると、この団体は公共の場所に文学作品を集めた世界最大のコレクションを作ることを目指しています。誰もが無料で利用できる図書館です。

世界へ広がる
きっかけは、パンデイが出会った2人の異なる世界を結びたいという思いでした。本を出版したいと願うB級映画の脚本家と、インド最大級のスラムの一つに住み、その本を買う余裕など決してない人です。
そして、2人の情熱はどうやら人々に伝わっているようです。ポスター貼りを手伝うボランティアを募り、クンダティルの故郷ベンガルールと首都ニューデリーから活動を始めました。今では、3大陸で100人を超えるボランティアが加わり、作品はアムステルダム、ロンドン、フィラデルフィア、カトマンズにも広がっています。
また、作品の使用を許可して活動に参加するよう、作家たちにも呼びかけています。これまでに協力した人には、サルマン・ラシュディ、シャシ・タルール、清水裕子、マリカ・ファーヴルなどがいます。

隠れた才能
パンデイによると、このグループは文学にまつわるエリート主義を打ち破りたいと考えています。クンダティルがデザインしたポスターは、グループのウェブサイトから英語版とヒンディー語版を無料でダウンロードできます。また、著名人だけでなく、未出版の作家にも参加してほしいとStickLitは考えています。
「隠れた場所にいる隠れた才能を見つけることは、とても大切です」とパンデイは言います。「私たちは、小さな町で活動する作家たちに声を届けたい。大きく羽ばたく可能性を秘めた人たちです」

