音楽を味わい、絵を聴く:共感覚の世界

A grand piano that has been left by the East River underneath the Brooklyn Bridge is pictured in the Manhattan borough of New York May 31, 2014. According to local media, the piano has been there for a few days puzzling locals as to how it got there and the reason for its placement, perfectly under the bridge. REUTERS/Carlo Allegri (UNITED STATES - Tags: SOCIETY) - RTR3RO17
Synaesthesia occurs in about 20% and largely concerns how we understand music and numbers.Image: REUTERS/Carlo Allegri
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数字に特定の空間的位置があり、音楽に形があり、色が音を立てる世界を想像してみてください。もしかすると、あなたには、Jamie xxの楽曲「Gosh」のベース音が直方体のようで、金属的かつ重厚に感じられ、背景にはシンセサイザーの音が渦巻くリボンのように広がって聞こえるかもしれません。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、「共感覚」のある人にとっては、それが実際の現実です。共感覚は概して害のない状態で、人口の最大20%に見られます。

長い間、共感覚は特別な利点も欠点ももたらさない中立的な状態だと考えられてきました。しかし今では、共感覚に伴う認知面・生理面の特徴がいくつもあり、その中には非常に好ましいものもあると分かっています。近年の研究では、共感覚のある人が実際にどのような体験をしているのか、そしてその人々から何を学べるのかに、ますます注目が集まっています。

共感覚には遺伝的な要因が一部関わっていることが分かっています。家族内で見られる傾向があるためです。一方、感覚同士の特定の結びつきは、ある程度環境によって形づくられるとも考えられています。こうした結びつきは、ほかの共感覚のある人と血縁関係にある場合でも、一人ひとり異なります。

共感覚は、免疫に関連するいくつかの疾患とも関係しているようです。たとえば、多発性硬化症、過敏性腸症候群、そして一部の種類の頭痛があります。この点について現在考えられているのは、共感覚とこれらの免疫疾患の双方に同じ遺伝子群が関わっているということですが、両者が具体的にどのように関係するのかは、まだ明らかになっていません。

利点

共感覚がこうした深刻な疾患と関連していることを踏まえると、自然選択によって淘汰されずにきたのはなぜか、という疑問が当然浮かびます。その答えとして考えられるのは、共感覚が複数の認知的な利点をもたらすことです。これが理由の一つとなり、ここ数年、複数の研究グループが、共感覚のない人に、共感覚に似た連想を身につけさせる試みを続けています。

共感覚のある人は、記憶力がはるかに優れている傾向があります。ただし、その優位性は主に共感覚に関わる事柄に限られます。これを理解するために、誰かの名前を思い出そうとしている場面を考えてみてください。その人の名前はベティでしょうか、それともヴェロニカでしょうか。あなたにとってBが青、Vが紫だと想像してみましょう。その女性の名前が紫色だったと覚えていれば、ヴェロニカという名前である可能性が高いと判断できます。

名前を覚えている相手からは、覚えていない相手より好意的な反応を得やすいため、共感覚は状況によっては人間関係に役立つかもしれません。さらに、共感覚のある人は記憶にアクセスする「経路」を複数持つため、加齢に伴う記憶力の低下をある程度防げる可能性もあります。

また、共感覚のある人は、心的イメージを思い描く能力に優れている傾向もあります。ただし、ここでも、その違いは共感覚に関わる心的イメージの側面に限られるようです。心的イメージはそれほど役に立つようには思えないかもしれませんが、実際には日常生活でよく使っています。顔を覚えたり、道順を把握したり、手ごわいIKEAの家具を組み立てたりするときにも役立ちます。

共感覚のある人は、いくつかの面でほかの人より創造性に富んでいます。創造性は大きく、異なるアイデアを結びつけて新しい全体を生み出す「収束的思考」と、既存のものをまったく新しい方法で使う発想を生み出す「発散的思考」に分類できます。共感覚のある人が得意とする傾向があるのは前者で、芸術や音楽に携わる時間もほかの人より長い傾向があります。

共感覚のある人は、ほかの人とは異なる性格特性を持つ可能性もあります。「ビッグファイブ性格検査」は、性格を構成する5つの側面(新しい経験への開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)を測るものです。この検査では、共感覚のある人は協調性のスコアが低く、開放性のスコアが高い傾向があります。また、共感覚のある人は、ほかの人より珍しい体験をすることが多く、思考がまとまりにくい傾向も強いとされています。

睡眠と夢

しかし、共感覚のある人については、まだ分かっていないことがたくさんあります。現在進めている研究では、創造性や性格に関する観察を発展させ、共感覚のある人はほかの人々とは異なる睡眠や夢の傾向を持つ、という新たな仮説を立てています。

共感覚のある人はほかの人より創造性に富むため、その夢は創造性の高い人々の夢に似ていると予想しています。たとえば「境界が薄い」人、つまり世界を明確な白黒ではなく、無数の灰色の濃淡として捉える傾向がある人は、創造性が高く、とても夢のようで奇妙な、感情豊かな夢を見ます。そこで、共感覚のある人も同じような夢を見ると考えています。共感覚のある人はおそらく境界が薄いと考える人もいます。

同様に、急速眼球運動(REM)睡眠には創造性を支える働きがある可能性があるため、共感覚のある人はほかの人とは異なるREM睡眠をとるかもしれないと考えています。REM睡眠の時間が長いのか、あるいは異なる形で経験するのかもしれません。

現在、このテーマに関する研究を準備しています。境界やその他の性格特性を調べるアンケート調査を行い、その後、睡眠トラッカーを使って、共感覚のある人がどのような睡眠をとっているのかを評価する研究を実施する予定です。

共感覚のある人が眠りや夢の半ば無意識の状態にあるときの体験を調べることで、この興味深い状態とともに生きることの実像をより包括的に捉え、その特性を最大限に生かす方法を学べるかもしれません。

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