世界の音楽業界は好調で、2021年の売上高は20%増加し、過去最高を記録した。
成長をけん引したのはストリーミングの急増で、現在、売上高の65%を占めている。
CDとアナログレコードの売上は20年ぶりに増加し、アナログレコードの売上は50%超伸びた。
ハリー・スタイルズの最新曲「As It Was」は、次の記録でギネス世界記録を樹立した。Spotifyで24時間に男性アーティストの楽曲として最も多く再生されたトラックしかし、音楽業界はもはや「以前のまま」ではない。近年の記録的な成長を支えているのは、CDやアナログレコードではなくストリーミングだ。
昨年、世界の音楽売上高はほぼ20%増加した。その成長をけん引したのはストリーミングの急増であり、世界のレコード音楽業界を代表する団体IFPIの年次報告書によると、ストリーミングは業界売上高の65%を占めた。
ストリーミングの総売上高は24.3%増の169億ドルに達した。この数字には広告収入によるストリーミングと、音声・動画ストリーミングサービスの加入者5億2,300万人が支払った123億ドルが含まれる。加入者数は、2020年の4億4,300万人から増加した。
世界の音楽業界の総売上高は、約260億ドルと過去最高を記録した。音楽市場の上位3カ国は米国、日本、英国。ザ・ウィークエンドの「Save Your Tears」は21億5,000万回再生され、最も多く再生されたシングルとなった。
アナログレコードが復活
デジタルダウンロードを除くすべての形態で、昨年の売上高が増加した。CDとアナログレコードの売上は20年ぶりに伸び、16%超増の50億ドルとなった。特にアナログレコードの人気が高く、売上は51.3%増加した(2020年の伸び率は25.9%)。
フィジカル形式で最も売れたアーティストはアデルで、アルバム『30』はCDが468万枚、アナログレコードが86万2,000枚を売り上げた。いずれも、最も近いライバルであるABBAの『Voyage』(CD200万枚)とハリー・スタイルズの『Fine Line』(アナログLP39万7,000枚)の2倍にあたる。
全形態を合計した売上の伸び率は中東・北アフリカが最も高く、2020年比35%増となった。中南米(31.2%)、米国・カナダ(22%)、アジア(16.1%)、欧州(15.4%)もいずれも2桁の伸びを記録した。
IFPIグローバル・レコーディング・アーティスト・チャートで、韓国のボーイズグループBTSが首位に立った。同チャートは、全ての国・地域における全形態の音楽消費を測定するもの。2位はテイラー・スウィフトで、続いてアデル、ドレイク、エド・シーランがランクインした。
回復した業界
「今日の音楽市場は、記憶にある限り最も競争が激しい」とIFPIのフランシス・ムーア最高経営責任者は述べた。「ファンはこれまで以上に多くの音楽を、さまざまな新しい方法で楽しんでいる。」
「今では参入障壁がなく、誰でも曲を録音して、世界中の人々が楽しめるように投稿できる」と同氏は付け加えた。また、ある大手プラットフォームには毎日約6万曲の新曲がアップロードされていると指摘し、アーティストの育成においてレコード会社が今も果たす役割を強調した。
しかし、いつもこうだったわけではない。10年前、業界は危機に瀕していた。デジタル海賊行為によって、潜在的な収入の3分の1超が失われていた。2011年、IFPIは、何も対策を講じなければ、デジタル海賊行為により2015年までに欧州のクリエイティブ産業が約2,600億ドルの損失を被ると警告した。
業界にとって幸いなことに、各国政府はこの警告を受け止めた。ファイル共有サイトは、ナップスターのようにサイト上のコンテンツを有料化するか、米国のSharebeastのケースのように閉鎖された。
フランシス・ムーアは、今日、テクノロジーが業界に新たな機会をもたらしていると述べた。「メタバースからゲーム内コンテンツに至るまで、レコード会社は人材とテクノロジーに投資し、アーティストに向けて、創造性と双方向性に富んだ新たな機会を生み出している」と同氏は付け加えた。

