公共図書館はまだなくなってはいない

The old books collection area with several rare books is seen at the Municipal Library of Lyon in this January 15, 2010 file picture. Amid the flat, wide fields of central France, a team of re-trained secretaries and IT experts is packaging Europe's literary heritage for the digital era. To match feature FRANCE-BOOKS/ REUTERS/Robert Pratta/Files (FRANCE - Tags: SCI TECH SOCIETY)
The threat of obsolescence made libraries take proactive steps to remain relevant in a digital world.Image: REUTERS/Robert Pratta/Files
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2017年、考古学者たちは現存する最古の公共図書館の遺跡をドイツのケルンで発見した。この建物には最大2万巻の巻物が収蔵されていた可能性があり、その起源は紀元2世紀のローマ時代にさかのぼる。読み書きがごく一握りのエリートに限られていた時代に、この図書館は一般に開かれていた。市の中心部にある市場に位置し、市民生活の中心を担っていた。

古書に満ちた図書館、つまり精神の内面に捧げられた施設を、私たちは美化して思い描くかもしれない。しかし、ケルンでの発見は別のことを物語っている。図書館は、印刷物を保管する場所にとどまらず、都市や住民にとってもっと大きな意味を持っていた可能性がある。

現代の公共図書館も、それを物語っている。会員数は全般的に減少、または横ばいとなっているが、人々は今、本を借りる以上の目的で図書館を利用している。子どもたちはビデオゲームをしたり、一緒に宿題をしたりするために訪れる。講演や音楽公演を聴きに行く人もいれば、工芸のワークショップや読書会に参加する人もいる。

図書館は、社会的に周縁化された人々、たとえばホームレスの人々にとって、Centrelinkなどの不可欠な行政サービスを利用し、人とのつながりを保つために欠かせない存在となっている。また、iPadの使い方や電子政府アカウントへのアクセス方法など、基本的なデジタルリテラシーの研修を事実上担うようになった。テクノロジー愛好家向けに、コーディングやロボット工学の高度な講座を専用の施設やラボで提供する図書館もある。

しかし、オーストラリアの公共図書館の未来は、相反する二つの筋書きに沿って展開している。著名建築家が手がけた「目玉」となる図書館への単発の資金拠出がある一方で、周縁部の図書館では予算削減や閉鎖が進んでいる。たとえば、ビクトリア州ジーロング市では、市の周辺部にある地域図書館3館が、閉鎖の危機に直面した。それは、4,500万豪ドルを投じたジーロング図書館・ヘリテージセンターの開館から、わずか1年足らず後のことだった。

その理由の一つは、図書館が地域社会や都市にもたらす貢献の広がりが、政府の上層部で認識されていないことだ。

貴重書を含む古書コレクションの閲覧室。リヨン市立図書館で撮影。Image: ロイター/Robert Pratta/資料写真

図書館はどう変わっているのか

2000年代初頭、資料のオンライン化が進むなか、未来学者たちは公共図書館の終焉が間近だと予測した。しかし、時代遅れになる脅威を前に、図書館はデジタル時代にも存在意義を保つため、先手を打った。情報への普遍的なアクセスという、従来から提供してきたサービスを新たな形式に置き換える方法を創造的に考えた。

図書館は蔵書をデジタル化し、目録をネットワークで結び、利用者がアクセスできる資料の範囲を飛躍的に広げた。電子書籍と、それを読むための電子書籍リーダーを導入した。映画鑑賞やビデオゲームに使えるスクリーンも設置した。

また、人口の14%にとって不可欠なコンピューターも設置した。彼らは自宅でインターネットを利用できない人々だ。さらに、館内に無料Wi-Fiを整備し、利用者が自分の端末を接続できるよう、電源コンセントを増設した。

新しいテクノロジーやサービスを提供するだけでなく、図書館は人々が気兼ねなく過ごせる、安心で居心地のよい空間を提供している。人々が集えるこの空間では、金銭を使うプレッシャーがない。魅力的で用途の幅広い家具に投資し、人々が新聞を読んだり、オンラインで求職の申請をしたり、勉強したりしながら、館内で過ごすことを積極的に促してきた。

コミュニケーション技術が効率を高める一方で、人々を孤立させることもある時代に、こうした空間は社会的に新たな重要性を帯びている。

図書館は都市をどう形づくるのか

図書館は個人にとって欠かせない存在であると同時に、その価値はより広範な市民社会の課題とも結びついている。図書館は、自らを収集の場から創造の場へと捉え直してもらうため、意図的に取り組んできた。ビクトリア州立図書館などは、芸術の面だけでなく、創造性を促す起業家の拠点として、スタートアップや新進のイノベーターを支援する役割も担うと考えている。

公共図書館は、経済成長に関する政府の構想と戦略的に足並みをそろえ、都市にとっての存在意義を訴えてきた。たとえば、ジーロング図書館・ヘリテージセンターは、ジーロングのデジタル戦略における主要な投資だった。「デジタル能力」を高めるための「基盤」として打ち出され、同市がデジタルの未来へ移行することを示す目に見える象徴となった。

一方、ビクトリア州のダンデノン図書館などは、衰退する都市地区の活性化を目指す都市再生プロジェクトの一環として多額の資金を獲得している。

都市中心部に位置することが多いこうした注目度の高い図書館の陰で、周縁部の小規模図書館は先行きが見えず、資金不足のために存続をかけて奮闘している。

この矛盾が生じているのは、図書館への支援が、都市計画や政策立案の上層段階に組み込まれていないためだ。州政府と地方自治体の間での資金配分には、全国で一貫したモデルがない。また、図書館の実績を評価する全国共通の枠組みも存在しない。

何より重要で、この問題を最もよく明らかにしているのは、図書館が貸出数や会員数といった従来の指標で評価され、個人と社会全体にもたらす価値のほんの一部しか捉えられていないことだ。政府や政策立案者がこの点を認識しなければ、図書館がオーストラリアの未来を形づくる多様で繊細なあり方が損なわれるおそれがある。

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