サイバーセキュリティに新たなグローバルアプローチが必要な理由

サイバーセキュリティに新たなグローバルアプローチが必要な理由
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情報通信技術は、世界の大半の人々にとって日常生活の中心的な一部となっています。地球上で最も開発が遅れた遠隔地にまで影響を及ぼし、開発、イノベーション、経済成長を促す重要な要因となっています。

しかし、これは 根本的な変革の始まりにすぎません。今後数年間で、「モノのインターネット」、3Dプリンティング、自動運転車などの新技術が、企業の業務、規制体制、さらには社会的慣習まで一変させるでしょう。

これらの技術は計り知れない恩恵をもたらしますが、データへのアクセスや犯罪目的での利用が容易であるため、リスクも伴います。 サイバー攻撃 はすでに、件数、巧妙さ、規模、影響のいずれにおいても急増しています。世界の相互依存と超接続が進むなか、インターネットの脆弱性への懸念が高まっています。貿易、エネルギー供給、金融システム全体を含む、ほぼすべての経済活動が依存するインフラだからです。

サイバー攻撃が行われる場はサイバー空間であり、そこでは防御側より攻撃側が有利です。実際、サイバー空間のインフラの大半は、相互運用性と開放性を確保するために設計されており、その代償としてセキュリティが犠牲になることも少なくありません。セキュリティを重視すると、使いやすさが損なわれる傾向があるためです。

攻撃は通常、非対称です。サイバー空間への参入障壁は取るに足らず、政府はオンラインで法の支配を徹底することに苦慮してきました。限られた資源しか持たない攻撃者でも、物理世界で同様の行為をした場合をはるかに上回る影響をもたらす混乱を引き起こせます。実際、サイバー攻撃による被害は本質的に国境を越え、急速に世界規模へと連鎖し得ます。

政治的な国境に対応しない領域では、単一の管轄区域だけでリスクをうまく管理することは不可能です。経済規模で見ると、サイバー犯罪はすでに麻薬取引に匹敵し、国際化も高度に進んでいます。しかし、私たちはまだグローバルなガバナンス体制を十分に構築できていません。サイバー空間の国際的な管理を促進しようとするさまざまな取り組みが行われてきましたが、いずれも成功は限定的でした。

最近オランダが主催した サイバー空間に関するグローバル会議 (GCCS)は、その一例です。政府、民間セクター、市民社会、技術コミュニティの代表者がハーグに集まり、サイバー空間のガバナンスにおけるマルチステークホルダー型アプローチと官民協力を促進しました。

GCCSが体現するアプローチは、主権国家を主要な担い手とする従来型の体制に、関係するすべての主体が参加する、より現代的なアプローチを組み合わせたものです。この開かれたマルチステークホルダー型モデルは、インターネットの従来の技術的管理を反映しています。この管理方式は、サイバー空間のレジリエンスを維持するうえで非常に有効であることが実証されています。ボトムアップの合意形成に基づき、集団で管理する意識を育み、信頼の醸成と国際協力を重視します。

こうしたアプローチの有効性は、サイバー空間における三大勢力、すなわち米国、中国、ロシアが、国内法を調和させたり協力を促進したりする共通条約に合意していないことで制約されています。また、G20と国連を除き、他の機関を通じてもこの問題で協力していません。近年のサイバー諜報事件により、ドイツや米国のような従来の同盟国間でも不信感が高まっています。主権を守るという名目で、各国が、これまで非常に効率的であることが証明されてきた技術ガバナンスに介入し始める可能性があります。

実際、ここ数カ月で国際紛争の危険は高まり、各大国間に存在していた信頼も損なわれています。サイバー空間は、政府、非国家主体、民間セクターが皆衝突する戦場となる危険があります。ジハード主義者によるフランスのテレビ局TV5への 最近の攻撃 や、北朝鮮によるものとされるソニーへのハッキングは、今後起こる事態の前兆かもしれません。

サイバー空間のガバナンスを開かれた、包摂的で、変化するリスクや課題に適応できるだけの柔軟性を備えたものに保つうえで、企業にも市民社会にも果たすべき役割があります。ほかの革新的な提案を検討しつつ、現在の技術管理のアプローチは維持しなければなりません。より良いガバナンスに 寄与し得る 案として、G20(各国)と20の関連非政府主体で構成する「安定のためのサイバー評議会」や、世界保健機関による感染症への対応を基盤とした早期警戒・調整システムが挙げられます。

21世紀の脅威に20世紀の手段で対応するのは得策ではありません。2020年までに、世界人口の3分の2がオンラインになるでしょう。サイバー空間の安全を確保するには、各国、民間セクター、市民社会の間で、率直で柔軟な対話が必要です。

国際社会は、保健や核兵器の拡散といった分野を規制する最低限の規範を整備してきました。サイバー空間で同じことができない理由はありません。サイバー空間の開放性とグローバルな性格を維持することは、私たち全員の共通利益です。そのためには、集団としての進歩を確かなものにするため、狭い国益を脇に置く必要があります。

本記事は プロジェクト・シンジケートとの協力により掲載しています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:ハビエル・ソラナは現在、ESADEグローバル経済・地政学センターの所長を務めています。

画像:コンピューターのキーボードを打つ男性。REUTERS/Kacper Pempel。

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