貧困家庭の子どもは思春期をかなり早く迎える。その理由とは

Puberty is an inherently awkward transition in which a child’s body matures to allow reproduction.Image: REUTERS/Lucy Nicholson
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体つきが変わり、声変わりし、体の新たな場所に毛が生えてくる。思春期は、若者にとって劇的な変化の時期だ。新たな研究により、貧しい家庭で育つ子どもは早く思春期に入ることが明らかになった。

同年代の子どもたちに比べて感情面、行動面、社会面で問題を抱えやすいだけでなく、思春期が早いと、その後の人生を通じてさまざまな健康問題のリスクにさらされる。

本日、学術誌「Pediatrics」に掲載されたこの研究は、子ども時代に逆境が積み重なると、生涯にわたって身体面、精神面、行動面に影響が及ぶことを示す研究の蓄積に加わるものだ。

しかし、こうした恵まれない子どもたちが早く思春期を迎える理由は、依然として明らかになっていない。この発達の重要な時期を特徴づけるホルモンの連鎖を引き起こす要因を特定する研究が続いている。

思春期とは?

思春期とは、子どもの体が生殖できるよう成熟する、どこか気まずさを伴う移行期だ。

女子では通常、8歳から13歳の間に乳房の発達とともに始まり、初経、つまり初めての月経を迎えて終わる。男子では平均して9歳から14歳の間に始まり、性器の成長から始まって、顔ひげが生え、声が低くなる頃に終わる。

しかし、思春期の変化は身体面だけではない。思春期は生物学的・社会的な急速な変化をもたらし、心の健康に関する問題のリスクも高める。例えば、うつや不安、物質の使用や乱用、自傷行為、摂食障害などだ。

こうした特徴的な変化を時間をかけて生み出すホルモン分泌の連鎖が、何によって引き起こされるのかは、今も正確にはわかっていない。「思春期を引き起こすものは何か」という問いは、2005年に科学誌『Science』の創刊125周年記念号で提示された125の問いの一つであり、今日もなお答えが出ていない。

特に、何が原因となって一部の子どもが他の子どもより早く思春期を迎えるのかは、正確にはわかっていない。一方で、早い思春期との関連が指摘されている要因はいくつもある。

これには、小児肥満、在胎週数に比べて小さく生まれること、環境中の化学物質への曝露が含まれる。他の研究者は、早い思春期と継父との同居や、ストレスの多いライフイベントの経験との関連も指摘している。例えば、子ども時代の不適切な扱いや虐待だ。

研究で行ったこと

思春期の時期に対する社会的要因の影響を調べた先行研究の結果は、まちまちだった。インドのある研究では、貧しい女子は月経が通常より遅く始まるとされた一方、英国の研究では、最も貧しい家庭で育った女子は、最も裕福な家庭の女子に比べて月経が早く始まる可能性が2倍だった。

そこで私たちは、社会的な不利に累積的にさらされることが、子どもが思春期を迎える年齢にどう影響するかを調べるため、オーストラリアで初となる同種の研究を実施した。

「Growing Up in Australia Study」に参加した3,700人の子どもの親に、子どもが8〜9歳の時点で思春期の兆候を報告してもらい、10〜11歳の時点でもう一度報告してもらった。兆候には、急な身長の伸び、陰毛や皮膚の変化、女子の乳房の発達と月経、男子の声変わりと顔ひげが含まれた。

次に、思春期が早く始まった子どもたちの家庭の社会経済的地位を、親の年収、教育、就業状況に基づいて測定し、適切な時期に思春期を迎えた子どもたちの家庭と比較した。

10〜11歳の時点で、男子の約19%、女子の約21%が早い思春期のグループに分類された。つまり、同年代の子どもたちより早く思春期に入っていた。

非常に恵まれない家庭の男子は、早い思春期を迎える割合が4倍に上った。一方、女子のリスクは、最も裕福な家庭の子どもたちと比べて約2倍に高まった。

なぜこうなるのか?

「ストレスの生物学」に関する研究は、極度の貧困のような深刻な逆境が、体のストレス反応を恒常的に警戒状態にし、脳の回路に影響を及ぼす可能性を示している。その結果、生殖ホルモンの調節に影響し、思春期の時期や進み方を変えることも考えられる。

また別の研究分野では、社会環境がいわゆる遺伝子のエピジェネティックな変化に影響を与える可能性が示唆されている。こうした変化は、生殖の発達に関わる遺伝子の調節に影響し、一部の遺伝子を通常より早くオンまたはオフにする可能性がある。

別の説では、困難に直面した子どもは、例えば経済的な不利、厳しい物理的環境、父親の不在などを経験すると、遺伝子を次世代に確実に伝えるため、生殖のプロセスを早く始めるようプログラムされる可能性があると考える。

それでも、貧困や不利な状況がどのように早い思春期を引き起こすのかは、正確にはわかっていない。

なぜ重要なのか

ただ、早い思春期がさまざまな健康問題と関連していることはわかっている。

例えば女子では、思春期の早期化は、うつ病、物質使用障害、摂食障害、通常より早い性的な言動など、思春期における感情面、行動面、社会面の問題と関連している。

早い思春期は、10代をはるかに過ぎた後の健康にも影響する。より高いリスクで、後年に肥満、生殖器系のがん、心代謝性疾患(糖尿病、心疾患、脳卒中)を発症する可能性がある。

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