新型コロナウイルス感染症のパンデミックは職場文化を一変させ、在宅勤務や柔軟な働き方を当たり前のものにしました。
優秀な人材を惹きつけるため、ハイブリッドワークを職務内容に盛り込む企業が増えています。
理想的なハイブリッドワーク環境をつくる企業の戦略を参考にしましょう。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは職場文化を一変させました。優秀な人材を獲得する競争において、従業員を中心に据えた働き方が重要な差別化要因であることを、組織は今や理解しています。混乱した環境でバランスを見いだすのは困難ですが、変化は従業員と企業の双方に成長の機会をもたらします。
柔軟な働き方は、この解決策の中核をなします。しかし、ハイブリッドワーク環境で最も実現が難しいことの一つは、チームや会社全体で共通の目的意識と企業文化を育むことです。ここで成功するには、学びとウェルビーイングが欠かせません。アリアンツとインフォシスは、この2年間でそのことを実感しました。
両社はパンデミック以前から、より柔軟な働き方へ移行しつつありましたが、他の多くのことと同様に、新型コロナウイルス感染症の流行を機にその動きは加速しました。
アリアンツは世界最大級の金融サービス企業の一つで、世界中に15万5,000人を超える従業員を擁しています。パンデミックの間、同社は場当たり的な一度限りの対策にとどまらず、柔軟で協働的かつ生産的な「働き方(WOW)」を示す世界共通の基準を導入しました。これらは同社の企業文化に欠かせない要素となりました。
ハイブリッドワークに不可欠な要素
新たな働き方の中核をハイブリッドワークが占めるなか、主な柱にはデジタルツール、組織と企業文化、健康とウェルビーイング、学びがあります。ここでは最後の2つに焦点を当てます。
学びの面では、アリアンツは「WOW Moments」を通じて、ハイブリッドワークの課題を乗り越え、その最大の強みを生かせるよう従業員を支援しています。これは、個人、チーム、リーダーが適切なハイブリッドワークの習慣を身につけるための、eラーニングやワークショップを組み合わせた研修モジュール群です。モジュールでは、入社時の受け入れ、テクノロジーの活用、心身の健康維持、ハイブリッドチームのリードなど、従業員のライフサイクルにおける9つの節目を扱います。
生涯学習を受け入れ、将来に適したスキルを備える企業文化を保つため、アリアンツはリーダーに年間45時間の学習を含む研修プログラムの修了を義務づけています。また、全従業員に対し、勤務時間のうち週1時間を学習に充てるよう奨励しています。
ハイブリッドワーク環境で健康とウェルビーイングを優先する
健康とウェルビーイングに関して、アリアンツは世界中の従業員に幅広いサービスを提供しており、専門家によるメンタルヘルス支援を24時間365日無料で受けられます。複数の言語で毎日ライブのマインドフルネスセッションを実施しています。また、世界共通の会議エチケットを設け、従業員がより適切な境界線を保てるよう支援しています。これには、会議を入れない専用の集中時間を設けて仕事から離れる権利を確保することや、連続する通話の合間に短い休憩を取ることが含まれます。
エンゲージメントを高める機会として、世界各地のメンタルヘルスに関するポッドキャストシリーズ「本当のところ、調子はどうですか?」や、医師からCEO、ナショナル ジオグラフィックの冒険家まで、社内外の登壇者を迎える「Global Health Talks」もあります。
アリアンツの強さとレジリエンスは、従業員一人ひとりの心に宿っています。未来とすべてのチームメンバーを大切にする最善の方法の一つは、誰もが持てる限りのスキルと創造性を発揮し、顧客に最良の成果をもたらせる環境をつくることです。
バーチャルワークの最適化
ITサービスとコンサルティングの世界的リーダーであるインフォシスも、同様のアプローチを取りました。同社は125のデリバリーセンターに26万人の従業員を擁しています。パンデミック以前から、従業員はリモートでの学習やスキル向上、顧客や同僚との協働に習熟していました。
たとえば、同社のバーチャル学習プラットフォーム「Wingspan」は社内で定着しており、すでに複数の顧客にも導入されていました。また、最新のMicrosoft Teamsプラットフォームを通じて、バーチャルでの業務を一元化していました。
アリアンツと同様に、同社にはすでにウェルビーイング施策や、勤務地の柔軟性を保ちながら同僚をつなぐ新たなプログラムがありました。しかし、パンデミックを機に、インフォシスでは共通の目的について新たな考え方が生まれました。従業員の保護と支援に注力すると同時に、困難な時期を乗り越える外部のコミュニティも支援しようとしました。
より広いコミュニティを支援する
インドでは、同社は地元の病院と協力して全従業員とその家族へのワクチン接種を迅速に進め、インドの6つの州と連携して酸素製造施設を設置し、全国の患者を支援しました。
インフォシスのコミュニティ参加戦略は、教育と学びを重視しています。同社は学習プログラム「Infosys Springboard」を開始し、教育者、学生、専門職を目指す人々1,000万人にデジタルスキルを身につけてもらうことを目指しています。
共通の目的意識とコミュニティへの関与は、常にインフォシスの企業文化の中核でした。パンデミックを経てその重要性はさらに高まり、世界各地のチームが困難な時期に互いと顧客を支えるための指針となりました。
パンデミックが収束に向かい、職場の場所や働き方をめぐる議論が活発になるなか、アリアンツとインフォシスは、最も重要なのは働く場所ではなく、働く理由や、チームメンバー、同僚としてどれだけ支えられていると感じるかかもしれないと考えています。
