2016年、世界貿易機関(WTO)は、中小企業に関する包括的な報告書を発表しました。そこで明らかになった最大の事実は、中小企業について私たちがほとんど知らないということでした。
大半の労働者を雇用し、全企業の95%を占める中小企業は、世界経済の生命線です。それにもかかわらず、研究も評価も支援も十分に受けておらず、顧客やサプライヤーとして取引する大企業からさえ、ほとんど理解されていません。さらに、国際貿易ルールを策定する交渉担当者から、繰り返し無視されてきました。
WTOによると、中小企業(従業員250人未満の企業)は「幅広い貿易論議にほとんど参加してこなかった」といいます。その結果の一つとして、小規模企業にとって国境を越えた貿易は、大企業よりも難しく、費用もかかると指摘しています。
それに加えて、WTOの調査は、告白あるいは自己批判のようにも読めます。報告書は、「中小企業の貿易への参加や、輸出を始める決定、国際化によって得られる可能性のある利益について、分かっていることは比較的少ない」としています。また、「WTOの枠組みでは、長年にわたり中小企業が大きく取り上げられることはありませんでした。中小企業に明示的に言及する規定を含む協定は、比較的少数です」と述べています。
痛いところを突かれます。
中小企業は、ある意味で研究を難しくします。たとえば、デジタル商品を販売するドイツ企業のような「ボーン・グローバル」なスタートアップは、インターネットに接続できず、銀行振込も、商品の確実な配送も見込めないアフリカの零細企業とは、ほとんど共通点がありません。
入手可能な証拠は、小規模企業のテクノロジー活用力と、国境を越えた貿易に参加する可能性との間に強い相関があることを示しています。22カ国のeBayのデータによれば、「テクノロジーを活用する」小規模企業の97%から100%が輸出しています。一方、「従来型」の中小企業で輸出しているのは、わずか2%から28%です。
実際、テクノロジーは中小企業にとって格差を縮める大きな力です。貿易に関する最大の障壁は、流通ネットワークへのアクセス、国境規制や基準に関する情報、貿易金融、信頼できる決済手段、そして確実で費用対効果の高い輸送です。
デジタル貨物輸送プラットフォームのShipA Freightが中小企業800社を対象に実施した、間もなく公表予定の調査は、こうした企業の成功にテクノロジーが不可欠であることを示し、グローバルな中小企業の台頭をうかがわせます。回答者の約86%は、テクノロジーが「競争条件を公平にし」、世界規模で事業を展開できるようにしていると答えました。国境を越えた販売の主な障壁として、高い輸送費、その費用の見通しにくさ、国際輸送の複雑さを挙げました。
現在、公共部門と民間部門の関係者は、ようやく中小企業が抱えるこうした問題の解決に取り組んでいます。各国政府は、手引きからビジネスマッチングサービス、輸出入のシングルウィンドウ・ポータルまで、あらゆるオンライン資源の整備を急いでいます。電子商取引プラットフォームは、中小企業が低コストで顧客にリーチし、商品情報を共有し、信頼を築き、国境を越えてオンライン販売を行うのを支援しています。ShipA Freightのようなデジタルプラットフォームは、小規模企業がオンラインで安全かつ簡単に貨物を管理できるようにし、コンプライアンス上の課題への対応を支援し、決済手段を提供するとともに、港から港、または戸口から戸口までの配送を提供しています。
こうした動きを総合すると、中小企業は、以前には、あるいは自力では決して実現できなかった「仮想的な」規模を手にすることができます。プラットフォームと、それを利用する企業の双方が高度化するにつれて、中小企業は生産性を高め、コストを削減し、大企業が主導するグローバル・バリューチェーンに参加する力を得るでしょう。
中小企業と貿易に関するデータは不完全ですが、かなり明確な結論を示しています。先進国でも発展途上国でも、国境を越えて事業を行う小規模企業は、そうでない企業に比べ、成長し、利益を上げ、生産性を高め、事業を多角化し、そして存続する割合が総じて高いのです。

