子どもたちは年齢を偽り、成人向けのSNSプロフィールを作成している。
規制当局は、子どもがSNS上の有害コンテンツにさらされる危険があると警告している。
子どものオンライン安全を高めるには、基準をめぐる国際協力が必要だ。
「お子さんはオンライン上で何歳ですか?」
英国の通信規制機関Ofcomが、成人向けのSNSプロフィールを持つ子どもに潜むリスクを指摘する中、保護者に投げかけた問いだ。規制当局の委託で実施された新たな報告書は、「SNSプロフィールを持つ8~17歳の子どもの3分の1が、成人としての年齢を登録している」と明らかにした。
世界で最も人気のあるSNSプラットフォームの登録ページで生年月日を偽って入力し、アカウントが作成されている。下のグラフは、SNSアカウントの登録時に年齢を偽ったことがあるとOfcomの調査員に答えた8~12歳の子どもの割合を示している。
多くのSNSでは、13歳未満の子どもが自分のプロフィールを作成できないよう年齢制限を設けているが、Ofcomのデータによれば、こうした制限は簡単に回避できる。多くの保護者が、子どもが13歳になる前にSNSプロフィールを作成するのを実際に手伝っていると分かれば、これはさほど意外ではない。
Ofcomの報告書は次のように述べている。「私たちの調査によると、多くの子ども、特に年齢の低い層(8~12歳)は、SNSアカウントの作成を親や保護者に手伝ってもらっていました。多くの場合、子どもが取り残されないようにしたいというのが、保護者の動機でした。」
大人の世界にいる子どもたち
子どもが成人であるかのように見せるプロフィールを使うと、不適切なコンテンツにさらされるリスクが高まる。Ofcomは、13歳を装う8歳の子どもを例に挙げている。
5年後、子どもは実際には13歳になるが、SNSのアルゴリズムはその子を18歳として認識するようになる。この時点で、プラットフォームは子どもが不適切なコンテンツを見ないようにする保護措置を解除する。
「子どもたちは、ますます有害なコンテンツにさらされています」と、世界経済フォーラムのデジタル安全グローバル連合のプロジェクトリードであるミノス・バントゥラキスは述べる。「暴力的・性的なコンテンツ、ヘイトスピーチ、自傷行為や自殺を促しかねないコンテンツなどが含まれます。オンライン上で子どもを手なずけるグルーミングなど、犯罪行為の対象にもなります」とバントゥラキスは語る。
子どもへのオンライン安全上のリスクを減らす
子どもがオンライン上のリスクに対して脆弱になるのを防ぐには、幅広い対策が必要となる。世界経済フォーラムのデジタル安全グローバル連合は、デジタル空間の安全性向上を目指す官民連携の取り組みであり、テクノロジー・プラットフォームやオンライン安全団体に加え、学術界、市民社会、政府を結集している。
デジタル安全グローバル連合の活動は、主に3つの分野に焦点を当てている。第一に、人権、プライバシー、安全を確保するためのデジタル安全に関する世界共通の原則を策定する。次に、コンテンツの削除や警告表示、安全性を高めるための先回りした対策などを含む、安全性を設計段階から組み込むための施策集を作成する。第三の取り組みは、プラットフォームがデジタル安全上のリスクを評価し、対策の効果を測定するためのリスク評価枠組みだ。
デジタル安全の向上には、合意された一連の原則と実践をめぐる国際的な合意とガバナンスが必要となる。詳しくは以下の動画をご覧いただきたい。
SNS企業は、自社プラットフォームで子どもの安全を守る取り組みを強化していると述べている。FacebookとInstagramを傘下に持つMetaは、子どもが被害に遭うのを防ぐ新たなツールを開発している。Snapchatでは、アプリ内で有害コンテンツを報告でき、TikTokは保護者がアプリ利用中の子どもの安全を確保するためのガイドを公開している。
オンラインの安全は家庭から
子どものオンライン上の安全を守るため、保護者や身近な家族が行う対策は、おそらく最もすぐに実行でき、効果も高い。
子どもがオンライン上の有害コンテンツにさらされないよう、Ofcomは実践しやすいヒントをいくつか示している。具体的には、次の通りだ。
お子さんにとって、オンラインで過ごすことが大切だと認識する。
オンラインやSNSの利用について、基本ルールを決める。
お子さんの「オンライン上の年齢」が正しいか確認する。
子どものオンラインでの生活について定期的に話し、心配なことがあればいつでも相談できると伝える。
スマートフォン、タブレット、ノートパソコンのペアレンタルコントロールを使い、有害コンテンツにさらされないようにする。

