2020年上半期には、食品市場や農業資材販売業者の閉鎖、貿易の停滞、労働力不足、製造・加工施設の閉鎖、購買パターンの変化や、レストラン、社員食堂などの大量購入者の営業休止に伴う一部食品の不足、その他の物流上・運営上の問題が生じました。パンデミックが進行し、その影響が差し迫った医療ニーズを超えて、社会や経済全般、さらには危機がもたらす波及的な影響にまで広がるにつれて、世界、地域、地元のフードシステムは、栄養状態を大規模に損ない、一次食料生産への影響を通じて食料不足を引き起こしかねない大きな圧力に直面し始めています。COVID-19は、フードシステムの根底にある不公正と不平等も明るみにしました。
しかし、この危機をきっかけに、食品・農業分野で現在十分に活用されていないツールへの認識も広く高まりました。そうしたツールを意図的かつ包摂的に活用すれば、危機に際してフードシステムが対応し、立ち直る力に大きな変化をもたらせます。その一つがデータです。
本報告書は、関係者間で広がりつつあるデータ主導型フードシステムのアプローチについて、実践につながる理解を深めることを目指します。データを活用して意思決定を改善し、ビジネス、製品、パートナーシップのモデルを前進させ、バリューチェーン全体の関係者に力を与える機会を探ります。また、こうしたモデルの実践例を紹介します。さらに、将来、フードシステムの備えとレジリエンスを高めるには、成功と規模拡大を可能にするデータ文化を促進し、政策、能力構築、インフラと接続性、リーダーシップの結集などの重要な推進要因によって支える必要があると指摘します。
本報告書は、次の取り組みから生まれた一連の成果の一つです。COVID Action for Food Systems – Africa。これは、アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)が国際農業開発基金(IFAD)および世界経済フォーラムと協力して立ち上げたマルチステークホルダーの取り組みです。本報告書はデータ・情報プラットフォーム作業部会の成果物として作成され、世界経済フォーラムのFood System Initiative(世界公共財プラットフォーム)および「デジタル経済と新たな価値創造の未来を形づくる」プラットフォームの支援を受けました。
