「世界貿易機関(WTO)は重要な岐路に立っている。ドーハ開発ラウンドの妥結をめぐる困難は、同機関の交渉メカニズムを再生させることの難しさを示している。多極化した政治の過渡期に、さまざまな地域的・二国間貿易協定の交渉が進むなか、本報告書は、この目標の達成に明らかに失敗している理由、あるいは加盟国が失敗している理由を戦略的観点から示す。そこには、中国の役割が重要性を増していることや、サイバーセキュリティと自由貿易の緊張関係といった新たな課題が含まれる。また、世界貿易ガバナンスにおけるWTOの中心性が重要であることを改めて論じる。」