過去50年間の観光業の目覚ましい成長は、世界の雇用創出と経済発展に大きく貢献してきました。しかし多くの産業と同様、世界的な気候危機や生物多様性、世界各地の地域社会が受け継いできた環境保全の伝統的な方法に影響を及ぼさずに済んだわけではありません。新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミックによる壊滅的な影響から業界が回復する今、適切なガバナンスと慎重な再設計により、観光は生物多様性の保全と気候変動対策を効果的に推進し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する手段となり得ます。
世界経済フォーラムの持続可能な観光に関するグローバル・フューチャー・カウンシルは、政策立案者、企業、観光地管理会社を導くため、「持続可能な観光地のための10原則」を共同で策定しました。これにより、観光地の再生と、持続可能な未来に向けた提供内容の最適化を可能にする、前向きな計画策定と行動変容を促します。これらの原則はSDGsとの整合性が高く、世界目標の達成を目指す既存または補完的な取り組みや計画プロセスに有意義な形で組み込むことができます。
「観光を再考する」を世界共通のテーマに掲げた2022年の世界観光デーに発表された本稿の10原則は、関係者が観光地の管理や観光の実践を協力して効果的に見直し、その場所、人々、そこに含まれる製品のレジリエンスと持続可能性を意図的かつ先回りして設計するための指針、優れた実践例、活用可能なツールを示します。
