組織規模の拡大という究極の目標に長年とらわれてきた社会起業の分野は、いま、組織の成長には限界があることを受け入れつつあります。ニーズはあまりにも大きく、差し迫っています。これまでに開発されてきた規模拡大のモデルは依然として範囲が狭く、実現にも時間がかかりすぎます。
本報告書「組織規模を超えて:社会起業家はいかにシステム変革を生み出すのか」は、自らが活動するより広範なシステムに影響を与えるための戦略やツールを求める、あらゆる社会起業家や社会セクターのリーダーを対象としています。
本調査報告書と、それに付随する詳細な教材用ケーススタディの目的は、実務家が社会起業の文脈におけるシステム変革の意味、直接的なサービス提供や「箱詰めのビジネス」モデルとの違い、そして何より、それが実践でどのように現れるのかを理解できるよう支援することです。抽象的な概念としてではなく、具体的な活動、プロセス、リーダーシップに関する教訓として捉えます。
ケーススタディでは、シュワブ財団のネットワークに属する営利・非営利の社会起業家6人を追い、その戦略が、問題に対する処方箋的で組織が設計した解決策の到達範囲を広げる「組織規模の拡大」から、社会システムを形作るルール、規範、価値観の転換を目指す「システム全体の規模拡大」へと発展していく過程を紹介します。