● 世界経済フォーラムは本日、『効果的なエネルギー転換の推進』報告書を発表しました。同報告書では、エネルギーの安全保障とアクセス、環境の持続可能性、エネルギーの負担可能性のバランスに関する114カ国の取り組みを順位付けしています。
● 報告書によると、環境の持続可能性に関する世界的な進展は停滞しています。燃料価格が全般的に下落したにもかかわらず、調査対象国の半数以上では実際にエネルギー価格が上昇しました。
● スウェーデン、ノルウェー、スイスが上位3カ国を占めました。G7ではフランスと英国が最上位となり、世界最大の2つの経済大国である米国と中国は、エネルギー転換への準備度で高い評価を得ました。
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2018年3月14日、ブラジル・サンパウロ—世界経済フォーラムは本日、『効果的なエネルギー転換の推進』報告書を発表しました。同報告書の「2018年エネルギー転換指数」は、各国のエネルギーシステムの現状と、将来のエネルギー需要に対応するためのエネルギー構成の準備度という2つの側面から、114カ国の状況を比較・分析しています。
報告書は、エネルギーの安全保障とアクセス、エネルギーシステムの環境持続可能性、包摂的な経済成長の可能性という3つの側面から、各国の現在のエネルギーシステムの実績を順位付けし、低炭素への転換に向けた現時点での条件を評価しています。
世界経済フォーラムのエネルギー・基礎産業部門ディレクター、Roberto Bocca氏は次のように述べています。「この新たな枠組みは事実に基づいており、各国のエネルギーシステムの実績を把握できるだけでなく、将来の成功に必要な条件を理解するために切望されている視点を提供します。」
今年のエネルギー転換指数の重要な発見は、環境の持続可能性に関する世界的な進展が停滞していることです。これは、炭素強度の改善率がほぼ横ばいであることからも明らかです。過去5年間の炭素強度の年間改善率はわずか1.8%であり、『パリ協定』の目標達成には、炭素強度を少なくとも3%削減する必要があります。エネルギーの負担可能性については、燃料価格が全般的に下落したにもかかわらず、2013年以降、実際には半数を超える国で家庭用電気料金が上昇しました。
明るい兆しとして、最近の世界的な傾向を見ると、過去5年間に80%を超える国々でエネルギーシステムの実績が向上しました。ただし報告書は、現在電力を利用できない10億人を支援するため、新たな戦略が必要だと指摘しています。
報告書の結果によると、北欧および西欧の国々が総合順位の上位を占め、スウェーデン、ノルウェー、スイスが上位3カ国となりました。G7経済国のうち、上位10カ国に入ったのは英国(7位)とフランス(9位)だけでした。
その他の主要経済国の結果にはばらつきがありました。ドイツ(16位)は、エネルギー価格の高止まりと排出量の増加という二重の課題に直面していますが、強固な制度と規制の下で、エネルギー転換への準備度は非常に高い水準にあります(11位)。米国(25位)は環境の持続可能性で低い評価となりましたが、強力なイノベーション・エコシステム、健全な制度的枠組み、活発な資本市場により、エネルギー転換への準備度の順位は押し上げられました(22位)。
豊富な天然資源を背景に、コロンビア(32位)、ブラジル(38位)、ロシア(70位)ではエネルギーシステムが良好に機能していますが、人材の不足や関連する制度・規制枠組みの課題により、エネルギー転換への準備度は低くなっています。
報告書は、現在の順位が低い一方で準備度が平均を上回る国々は、より高度なエネルギーシステムへ大きく前進する可能性があると指摘しています。これらの国には、韓国(49位)、ヨルダン(65位)、ケニア(71位)が含まれます。例えばケニアは、再生可能エネルギーとエネルギー効率への投資を拡大し、エネルギーへのアクセスを大幅に向上させました。
中国(76位)もエネルギーシステムを飛躍的に発展させました。中国政府は最近、電気自動車に関する一連の指令を出し、炭素取引市場の構築に着手するなど、環境問題への取り組みを約束しました。しかし、環境の持続可能性に関する順位が低いため、総合的な実績は一定の影響を受けています。
インド(78位)は、エネルギーへのアクセス向上とエネルギー補助金の削減で大きく前進し、エネルギー・エコシステムの水準を大幅に高めました。特に再生可能エネルギーの導入とエネルギー効率の分野で大胆な改革を進めたことから、飛躍的なエネルギー発展段階へ向かう「新興国」と評価されました。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが分析面で技術支援を行った『効果的なエネルギー転換の推進』報告書は、効果的なエネルギー転換を実現するための7つのステップをまとめ、成功事例と、各国が参考にできる実証済みの転換枠組みを紹介しています。長期的な開発計画を策定して優先事項、全体目標、段階的目標を明確にし、本報告書の枠組みに基づいて必要な促進要因を整えることは、各国のエネルギー転換を加速するうえで極めて重要です。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのシニアパートナー、Thomas Seitz氏は次のように述べています。「エネルギーシステムの破壊的変革の転換点が近づいています。政策立案者、企業、そして社会全体は、エネルギー転換がもたらす成長機会を捉える準備を整えなければなりません。柔軟で予測可能な国家エネルギー開発計画は、効果的なエネルギー転換を推進するうえで重要な要素であり、企業と社会により大きな価値をもたらします。」
国際エネルギー機関(IEA)事務局長であり、世界経済フォーラムの「エネルギーシステムの未来を形作る」システム・イニシアチブ運営委員会の共同議長を務めるFatih Birol氏は、次のように述べています。「温室効果ガス排出の削減、エネルギーへのアクセス拡大、大気質の改善など、より持続可能なエネルギーの生産・利用形態への転換を、世界各国は早急に加速する必要があります。そのためには、あらゆるエネルギー技術を十分に活用し、政府、産業界、市民社会の各ステークホルダー間の協力を深める必要があります。」
編集者向け参考情報:
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