『2016年グローバル貿易促進報告書』:ASEAN市場の開放度、欧米を上回る

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Oliver Cann、パブリック・エンゲージメント部;電話:+41797993405;メール:Oliver.Cann@weforum.org

『2016年グローバル貿易促進報告書』:ASEAN市場の開放度、欧米を上回る

・世界経済フォーラムの『2016年グローバル貿易促進報告書』によると、ASEAN市場の開放度はEUと米国を上回っている。

・シンガポール、香港、複数の欧州経済は、引き続き「貿易促進指数」の上位にランクインしている。同指数は市場アクセスだけでなく、国境を越える物流などの総合的な要素も評価する。

・貿易が経済成長を促す一方で、貿易の包摂的な発展にも目を向けるべきである。国境管理の改善などは迅速な成果が得られるものの、その進展のペースは2014年以降鈍化している。

報告書の詳細については、こちらをクリックしてください。

2016年11月30日、スイス・ジュネーブ — 世界経済フォーラムとグローバル貿易円滑化アライアンス(Global Alliance for Trade Facilitation)は本日、『2016年グローバル貿易促進報告書』を発表した。報告書によると、ASEAN諸経済が世界経済への統合を深めるにつれ、この地域の物品貿易市場の開放度はEUと米国を上回った。

本報告書は「貿易促進指数」(Enabling Trade Index)を用いて、世界136の経済の市場アクセス、国境管理、交通・デジタルインフラ、輸送サービス、事業環境などの実績を評価する。『グローバル貿易促進報告書』は2年ごとに作成され、貿易が経済成長と社会発展を促進する度合いを世界のリーダーが検討するための判断材料を提供する。

報告書によると、米国と欧州の市場が縮小するなか、ASEAN地域は市場開放度で明らかな優位性を示しているが、指数が評価するその他の面では依然として課題がある。総じて、貿易促進の実績が最も優れた経済は北欧・西欧に集中している。また、シンガポールと香港は最新ランキングでそれぞれ1位、3位となった。

「自由貿易は、今なお世界経済の発展と社会の進歩を促す最も強力な原動力です。今日のリーダーが直面する課題と責任は、保護主義に立ち向かうと同時に、貿易を包摂的成長の原動力にすることです」と、世界経済フォーラムの創設者兼会長であるクラウス・シュワブ(Klaus Schwab)教授は述べた。

本報告書のもう一つの重要な結論は、各国政府による国境管理の効率向上に向けた取り組みが、ほとんど成果を上げていないということだ。他のガバナンス施策に必要な経済的・政治的資本と比べ、この取り組みは「手の届く成果」と広く見なされており、規模を問わずさまざまな企業に迅速に大きな経済的利益をもたらし得る。世界貿易機関が2014年に採択した「貿易円滑化協定」が2017年に発効することを受け、この問題への関心が高まることが期待される。

報告書はさらに、多くの人々の認識に反して、依然として世界の多数の人々が国際貿易やグローバル・バリューチェーンに参加できていないことを明らかにした。特に、大規模な新興市場の貿易促進指数の成績は振るわない。世界の人口上位10か国のうち、指数ランキングの上位半分に入ったのは中国(61位)のみだった。総人口が24億人を超える他の6か国は、いずれも100位以下だった。インド(102位)、ブラジル(110位)、ロシア(111位)、パキスタン(122位)、バングラデシュ(123位)、ナイジェリア(127位)である。

「国境での通関手続きが非効率でコストも高いため、多くの発展途上国や新興経済国の商業活動や起業家が世界市場から締め出されています。政府は、貿易円滑化改革を戦略上の優先事項とし、貿易の恩恵を人々に広く行き渡らせることを検討しなければなりません」と、グローバル貿易円滑化アライアンスのディレクター、Philippe Islerは述べた。

地域別の注目点

2014年以降、欧州と北米の統合の進展は比較的緩やかだったものの、貿易促進の実績は依然として最も優れている。欧州地域で順位を上げた国には、新たなEU加盟国(リトアニアは8ランク上昇して29位)、欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国、バルカン諸国(セルビアは18ランク上昇して64位)が含まれる。先進経済のうち、スイスと米国はそれぞれ国内市場アクセスと国外市場アクセスが最も低調だった。

シンガポールと香港を除くと、東アジア・太平洋地域の主な順位は、日本が5ランク上昇して16位、韓国が7ランク上昇して27位、中国が2ランク上昇して61位となり、ニュージーランドは4ランク下落して18位となった。メコン地域は特に活気を見せ、4か国すべてが順位を上げた。タイ(9ランク上昇して63位)、ベトナム(14ランク上昇して73位)、ラオス(7ランク上昇して93位)、カンボジア(4ランク上昇して98位)である。

中東・北アフリカ地域には、アラブ首長国連邦(23位を維持)やイスラエル(12ランク上昇して30位)など、優れた実績を示す国もある一方、地域内の経済間には大きな格差がある。世界の他地域と同様、資源に恵まれた経済の実績は振るわない。

順位を3つ下げたものの、チリ(21位)はラテンアメリカ・カリブ地域の首位を大きく引き離して維持し、貿易促進指数の5つの主要指標すべてで地域をリードしている。特に順位を大きく上げたのはメキシコ(11ランク上昇して51位)とアルゼンチン(9ランク上昇して94位)だった。ブラジル(110位)とボリビア(112位)はいずれも13ランク下落し、ベネズエラは最下位となった。国内・国外市場アクセスの両面で世界平均を上回っているものの、ラテンアメリカは非効率な国境管理、質の低いインフラ、低水準の輸送サービスなどに制約されている。

貿易促進指数全体で見ると、ユーラシアの改善幅は最も小さく、市場アクセスと輸送サービスの実績はいずれも低下した。ジョージア(5ランク上昇して41位)は得点と順位を伸ばし、地域のリーダーとしての地位をさらに固めた一方、同地域のその他の国々はすべて順位を下げた。ロシアは5ランク下落して111位となった。

市場アクセスの状況、特に国外市場へのアクセスが大幅に改善したため、サハラ以南アフリカ地域は今年、最も大きな進歩を遂げた地域となった。モーリシャスの実績は芳しくなく、9ランク下落して39位となったが、地域首位を維持した。最近世界貿易機関に加盟したリベリアは、11ランク上昇して120位となり、同地域で最も顕著な実績を示した国となった。

南アジアのすべての経済は、過去2年間に得点を伸ばした。インドとネパールはともに4ランク上昇し、それぞれ102位、108位となった。ブータンは12ランク上昇して92位となった。一方、スリランカ(103位)、パキスタン(122位)、バングラデシュ(123位)は順位を下げた。南アジアは現在も世界で最も閉鎖的な地域であり、輸入品に課される関税は平均16.7%に達した(2014年の15.8%から上昇)。

2016年貿易促進指数について

貿易促進指数は、物品が国境を越えて自由に移動し、目的地に到達することを促進するための各経済の準備状況を測定する。評価要素は、国内市場アクセス、国外市場アクセス、国境管理、交通インフラ、輸送サービス、情報通信技術インフラ、事業環境の7分野に分類される。方法論とデータの利用可能性が変更されたため、2016年と2014年の結果は完全には比較できない。そのため、新しい方法論に基づいて2014年の結果を再計算した。

編集者向け参考情報:

報告書全文を読む:http://wef.ch/getr16

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