紛争国の人々の暮らしを向上させる金融モデルの活用

期待される効果。

紛争地域や気候ショックに苦しむ地域には人道支援が必要ですが、こうした脆弱な地域を短期的にも長期的にも発展させるには、資本投資も欠かせません。

フォーラムの人道投資イニシアチブは、最も支援を必要とする人々やコミュニティに利益をもたらすと同時に、金銭的リターンも生み出す投資市場の拡大を加速する、世界的なプラットフォームを提供しています。

2019年の世界経済フォーラム年次総会で発足して以来、このイニシアチブはインパクトを生み出し、人々の暮らしを変える技能、専門知識、活動範囲を備えたパートナーを結集してきました。

課題は何でしょうか。

脆弱性、紛争、暴力の影響を受ける国々には、20億人が暮らしています。OECDは、2030年までに世界で最も貧しい人々の80%超が、こうした状況に置かれると予測しています。従来型の、人道支援と開発支援を別々に扱う対応では、危機の規模、長期化、複雑さに対応しきれなくなっています。

世界的な課題がますます複雑化するなか、問題解決に資金を充てながら市場リターンも得たいと考える投資家が増えています。この高インパクト投資市場の運用資産は、5,000億ドルを超えると推定されています。持続可能な投資戦略は、ここ数年で大きく拡大しています。こうしたプロジェクトへの需要は急増していますが、投資機会の拡大は追いついておらず、とりわけ必要としている地域でその傾向が顕著です。

紛争や脆弱性によって人道支援の必要性が高まるなか、革新的な金融モデルを拡大することは、脆弱な状況にある人々の暮らしを向上させ、次世代に希望をもたらすうえで不可欠です。

ピーター・マウラー、赤十字国際委員会総裁

私たちの取り組み。

人道投資イニシアチブを通じて、世界経済フォーラム、世界銀行グループ、赤十字国際委員会、クレディ・スイス、オランダは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の支援を受け、マルチステークホルダー・パートナーシップの実現と支援に取り組み、投資資金を動員して、世界で最も支援を必要とする人々の暮らしを向上させています。

このイニシアチブは、エネルギー、水、インフラ、農業、金融サービスなど多様な産業に影響をもたらし始めており、ラテンアメリカ、サハラ以南のアフリカ、中東に重点を置きながら、さまざまな地域で活動しています。また、インタラクティブなデジタル人道投資機会プラットフォームを立ち上げ、これらの地域のさまざまな産業や種類の投資可能なプロジェクトを紹介しています。ベータ版の公開時点で、このインタラクティブなデジタルツールには、100か国にわたる、総額3,000億ドル超の人道投資案件が1,000件以上掲載されています。

これまでに、パートナーが協力して、情勢不安定な地域の人々が作物を育てられる投資可能な水耕栽培プロジェクトを開発したほか、難民を受け入れる地域に手頃でクリーンなエネルギーを届け、ハリケーン・ドリアンで甚大な被害を受けた地域の数百万ドル規模の復興事業に、金融組成の専門知識を結び付けてきました。

またこのイニシアチブは、コンゴ民主共和国での3,000万ドルの水インフラ投資への支援を構築するとともに、ラテンアメリカ避難民アウトカム基金(LADOF)の初期段階の開発を支援しています。

このように複雑な課題を単独で解決できる主体はいません。人道支援機関や開発機関が投資家や企業と継続的に対話し、協力して新たな解決策に取り組むことが、緊急に求められています。

ボルゲ・ブレンデ、世界経済フォーラム会長

どのように参加できますか。

多様な企業や組織の皆さまを、人道投資イニシアチブのパートナーとしてお迎えし、脆弱性、長期化する危機、強制移住という長期的な課題に取り組む新たなアプローチを共に進めたいと考えています。投資可能な案件を開発する、産業別または地域別のトラックへの参加について、ぜひお問い合わせください。各トラックには主導パートナーがあり、優先案件の開発を進めるとともに、その産業または地域における案件の拡充と人道投資市場の成長に向けた今後の計画を掲げています。

フォーラムのマルチステークホルダー・プラットフォームを通じて、重要な地球規模の課題に変化をもたらしましょう。会員またはパートナーとなり、世界の状況を改善するという私たちの使命にご参加ください。

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